VBA関数
DoEvents関数

Excelマクロで必須のVBA関数を入門・初級・初心者向けに詳細解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2022-02-22

DoEvents関数


DoEvents関数は、発生したイベントがOSによって処理されるように、プログラムで占有していた制御をOSに渡します。


DoEvents関数

構文
DoEvents

説明
開かれているフォームの数を返します。
開かれているフォームが無ければ0返します。

DoEvents関数は、オペレーティング システムに制御を渡します。
オペレーティング システムがキュー (処理の待ち行列) に入っているイベントの処理を終了し、SendKeys ステートメントのキューに入っているすべてのキー入力が送られるまで制御は戻りません。

DoEvents関数は、ファイルの検索などで処理が開始された後で、ユーザーがキャンセルできるようにするときに役立ちます。
処理の実行が長い場合、処理プログラムで行う方が、タイマーを使ったり、ActiveX コンポーネントにタスクを渡すよりよい方法です。
後の場合、アプリケーションから独立させてタスクを続行できます。
そしてオペレーティング システムでは、マルチタスクと時間分割を利用します。

注意1
イベント プロシージャから一時的な処理が発生するときは、最初に呼び出した処理から制御が戻ってくるまでは、プロシージャがプログラムの別の場所で実行されることがないように注意する必要があります。

別の場所で実行された場合、結果は予測できません。
また、制御をオペレーティング システムに渡している間、他のアプリケーションが、確認できない方法でプロシージャとやり取りを行う可能性があるときは、DoEvents 関数は使わないでください。


注意2
DoEventsをむやみににCallすると処理がとても遅くなります。
一旦制御をOSに渡すので、当然それなりの時間がかかります。
以下の使用例で確認してください。

使用例

使用例1

Dim i As Long
For i = 1 To 10000
  Application.StatusBar = i
  DoEvents
Next
Application.StatusBar = False

ステータスバーへの表示をする場合は、
このようにDoEventsを入れる事で、表示がスムーズに行われます。

VBA100本ノック 70本目:ステータスバーに1秒ごとに時刻が表示
ブックが開かれたら、ステータスバーに1秒ごとに時刻を表示する問題です。ツイッター連動企画です。ツイートでの見やすさを考慮して、ブック・シート指定等を適宜省略しています。VBAテスト用のサンプルデータはご自身でご用意ください。
ストップウォッチ(1/100秒)(Timer)
ストップウォッチを作ってみましょう。機能は簡単に、・ボタンを押すと、0からスタートし時間表示が進む。・もう一度ボタンを押すとストップする。これだけです。つまり、1つのボタンで、マクロをスタートさせたり、ストップさせたりする方法の紹介になります。

使用例2

VBAで正しいはずなのに上手く処理されない、正しく表示されない・・・
そんな時にDoEventsは必須になります。
ただし、むやみにDoEventsを実行すると非常に時間がかかってしまいます。

For i = 1 To 10000
  Application.StatusBar = i
  DoEvents
Next

この処理は10秒程度で終わります。
しかし、

For i = 1 To 10000
  Application.StatusBar = i
  For j = 1 To 100
    DoEvents
  Next
Next

この処理は40秒くらいかかってしまいます。

OS側で処理すべきイベントが無い場合にはDoEventsを実行する必要がありません。
これを判定するAPIがあります。
GetInputState
このAPIを使うことで無用なDoEventsを減らすことができます。

Public Declare PtrSafe Function GetInputState Lib "USER32" () As Long

For i = 1 To 10000
  Application.StatusBar = i
  For j = 1 To 100
    If GetInputState() Then DoEvents
  Next
Next

これなら手元で11~12秒くらいでしょうか。

実際にはAPIを使うことを考える前に、そもそも無用なDoEventsは減らすようにした方が良いでしょう。
10000のカウントを1ずつ見ても仕方ないですし、実際に目視で1カウントは見ることができませんので、本来なら10回や100回に1回のDoEventsで良いはずです。



Office VBA リファレンス DoEvents関数


※VBA関数一覧
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