生成AI活用研究
すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド

Geminiを中心に生成AIの活用と研究の記録
公開日:2025-05-15 最終更新日:2025-05-21

すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド


生成AI(LLM)の能力を最大限に引き出し、期待する高品質なアウトプットを効率的に得るためには、明確で構造化されたプロンプトを作成することが非常に重要です。このガイドラインは、プロンプト作成の基本的な考え方から、実際のビジネスシーンでも役立つ実践的なテクニックまでを網羅しています。


AIとの対話の質を高めるための、あなたの強力なパートナーとなることを目指します。

■ このガイドラインの構成

こんな方におすすめの使い方

  • 生成AIを使い始めたばかりの方へ:
    まず「2. 完成されたプロンプトの例」をご覧いただき、プロンプト全体のイメージを掴んでください。
    次に「3. 簡易チェックリスト」を参考にしながら、ご自身の簡単なプロンプト作成に挑戦してみましょう。
    「4. テンプレート項目詳細」は、項目ごとに詳しく知りたい場合に辞書のように活用してください。
    「6. 注意点・FAQ」は、疑問点が出てきた際に参照すると解決に繋がります。

  • ある程度生成AIを使っている方へ:
    ご自身のプロンプトを作成した後、「3. 簡易チェックリスト」で網羅的に考慮できているかを確認してください。
    「4. テンプレート項目詳細」で各項目の記載内容や補足Tipsを見直し、より質の高いプロンプトを目指しましょう。
    「5. プロンプト修正例」は、意図通りの出力が得られない場合の改善ヒントになります。

  • チームでのAI活用を推進したい方へ:
    チームメンバーへの共有資料として、「3. 簡易チェックリスト」と「7. 軽量版テンプレート」、そして「8. 記入用フォーム形式」を抜き出して配布するのが効果的です。
    プロンプト作成の共通理解を深めるのに役立ちます。

1. このガイドラインの目的と概要

近年、生成AIは私たちの働き方や創造性に革新をもたらしていますが、その能力を引き出すためには、AIへの「問いかけ方」、すなわち「プロンプト作成能力」が非常に重要になっています。適切なプロンプトを作成できるかどうかで、AIからのアウトプットの質は大きく変わります。

このガイドラインは、生成AIを単なる検索ツールとして使うのではなく、あなたの期待通りの、より高品質な成果を生み出す強力なパートナーとして活用するための手助けとなることを目的としています。

具体的には、以下の実現を目指します。
  • コミュニケーションの質の向上: AIへの指示を構造化し、意図のずれを防ぎ、より正確な応答を引き出します。
  • アウトプットの最大化: 具体的な情報や制約条件を与えることで、求める品質や形式のアウトプットを効率的に得ます。
  • 効果的な試行錯誤の支援: プロンプト作成のプロセスを明確にし、意図通りの結果が得られない場合の改善方法を示します。

このガイドラインが提供するもの:
  • プロンプト作成に必要な要素を体系的に整理したテンプレート(12項目)
  • プロンプト作成時に確認できるチェックリスト
  • 具体的なプロンプトの記述方法や改善方法を示す豊富な例示(完成例、修正例、VBA例など)。
  • 実践的なヒントや、よくある疑問への回答をまとめたFAQ
  • 用途に合わせて選べる軽量版テンプレートや、すぐに使える記入用フォーマット

このガイドラインをご活用いただくことで、あなたは以下のメリットを得られるはずです。
  • AIへの指示に迷うことなく、効率的にプロンプトを作成できるようになります。
  • AIから期待通りの、より精度の高い回答を引き出せるようになります。
  • プロンプトの改善方法が分かり、試行錯誤の質とスピードが高まります。
  • 生成AIをビジネス、学習、プライベートなど、様々なシーンでより深く、効果的に活用できるようになります。

このガイドラインが、あなたの生成AI活用スキル向上に貢献できれば幸いです。


2. まずはイメージから:完成されたプロンプトの例

このガイドラインで紹介するテンプレートの各項目を考慮して作成すると、どのようなプロンプトになるのでしょうか。まずは具体的な例をご覧いただき、AIに伝わりやすいプロンプトの全体像を掴んでみてください。

【1. 目的】
新しい健康食品ブランドのキャッチコピー案(SNS投稿用)を複数得る。

【2. 背景・状況】
20代女性をターゲットにした自然派・無添加の食品ブランド立ち上げプロジェクト。
ターゲット層に響く言葉が必要な状況です。

【3. 役割・ペルソナ】
ブランディングとターゲット心理に精通したコピーライターとして考えてください。

【4. 指示内容】
提供する商品情報を元に、ターゲット層に魅力的なキャッチコピーを5つ考案してください。

【5. 含める要素】
「自然」「無添加」「手軽さ」「美味しさ」の要素と、ターゲット層が「続けやすい」と感じる視点を必ず含めてください。

【6. 除外要素】
誇大表現(薬機法に抵触する可能性のあるもの)や、専門用語の使用は避けてください。

【7. 読者・受け手】
生成されるキャッチコピーを見るのは、健康に関心はあるが面倒なことが苦手な20代女性(主にInstagramユーザー)です。

【8. 出力粒度】
各キャッチコピーは簡潔に(15字以内)し、それぞれの案に簡単な説明(1~2行)を添えてください。

【9. 出力形式】
箇条書きで5案、各案に【案○】の番号を振って出力してください。

【10. トーン・文体】
ターゲット層に響くよう、親しみやすく、少しトレンド感のある、共感を呼ぶようなトーンで記述してください。

【11. 制約】
提供した商品情報以外の情報は参照しないでください。

【12. 参考資料・例】
新商品の詳細情報はこちらです:[URLまたは添付ファイル名]。
参考にしたいSNS投稿の例はこちらです:[キャッチコピー例をいくつか記載]
(※各項目の【】内の数字は、以下のテンプレート項目の番号と対応しています。)


3. プロンプト作成の準備:簡易チェックリスト

プロンプトを作成する際、どのような要素を考慮すればよいか迷うことがあります。以下のチェックリストは、質の高いプロンプトに含めるべき基本的な要素をまとめたものです。作成前に項目を把握したり、作成後に漏れがないかを確認したりする際に役立ちます。各項目の詳細については、「4. テンプレート項目詳細」をご参照ください。
  • ✅ 1. 目的 (目的 / ゴール)は明確か?
  • ✅ 2. 背景・状況 (状況 / 背景 / 使用シーン)は十分か?
  • ✅ 3. 役割・ペルソナ (役割 / ペルソナ)は定義したか?
  • ✅ 4. 指示内容 (指示内容 / 依頼内容)は具体的か?
  • ✅ 5. 含める要素 (含めるべき要素)を明記したか?
  • ✅ 6. 除外要素 (除外する要素)を明記したか?
  • ✅ 7. 読者・受け手 (想定される読者 / 受け手)は誰か明確か?
  • ✅ 8. 出力粒度 (回答スタイル / 出力の粒度)を指定したか?
  • ✅ 9. 出力形式 (出力形式 / 構成)を指定したか?
  • ✅ 10. トーン・文体 (トーン / 文体)を指定したか?
  • ✅ 11. 制約 (制約条件)はあるか?
  • ✅ 12. 参考資料・例 (参考資料 / 出力例)を示すことで、AIの理解を助けたか?


4. Markdown記法とは?:AIへの指示と出力を構造化する記法

生成AIと効果的に対話する上で、Markdown(マークダウン)記法は非常に強力なツールとなります。これは、文章を簡単に見やすく整形するためのシンプルな記述方法です。特別なソフトウェアは不要で、プレーンテキストに特定の記号(#、*、-など)を記述するだけで、見出しや箇条書き、太字などを表現できます。

なぜ今、Markdownが重要なのか?

生成AIは、私たちが入力したプロンプトを解釈し、その意図に沿ったテキストを生成します。この時、AIが**「どのような形式で出力すべきか」**を理解していると、結果の質が飛躍的に向上します。MarkdownはAIが最も得意とする出力フォーマットの一つであり、プロンプトでMarkdownでの出力を指示することで、以下のようなメリットがあります。
  • 人間にとっての可読性向上: 生成された文章が整理され、理解しやすくなります。
  • 構造化されたデータ: プログラムコード、表、箇条書きなど、特定の構造を持った情報を正確に生成させられます。
  • 再利用性の高さ: 生成されたMarkdown形式のテキストは、そのままウェブサイトのコンテンツ、ドキュメント、プレゼンテーションの資料などに簡単に変換・利用できます。

Markdownの基本的な記法は非常にシンプルで覚えやすく、一度習得すれば、AIとの対話だけでなく、様々なデジタル文書作成で役立ちます。このガイドでは、プロンプトで特に役立つMarkdown記法を中心に解説していきます。

なぜプロンプトでMarkdownを指示するのか?

生成AIは、プロンプトで指示することで、ただ文章を生成するだけでなく、Markdown記法を使って構造化された、読みやすい形式で出力することができます。
これにより、AIの出力をそのまま資料として活用したり、プログラムのコードとして利用したりする際に、手作業での整形の手間を大幅に削減できます。
  • 情報の整理と可読性の向上: AIが生成する長い文章や複雑なデータも、Markdownの見出し、リスト、表などを使うことで、人間にとって理解しやすい形に整理されます。
  • 特定の出力形式の要求: プログラムコード、JSONデータ、箇条書きのリストなど、AIに特定の構造を持つテキストを出力させたい場合に、Markdownの記法をプロンプトに含めることで、期待通りの形式で生成されやすくなります。
  • 再利用性の向上: 生成されたテキストを、そのままWebページ、ドキュメント、プレゼンテーションなどに活用しやすくなります。

プロンプトでのMarkdown記法とサンプル

AIへのプロンプトでよく使われるMarkdown記法と、その指示例をご紹介します。

項目 説明・用途 記法 プロンプト例 表示例
見出し(Headers) 文章の階層構造を明確にする際に使います。 # 見出し1
## 見出し2
### 見出し3
以下の内容について、見出し(h2とh3)を使って解説してください。
## AIの進化
### 機械学習の発展
### ディープラーニングの登場
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箇条書き(Lists) 情報を整理して羅列する際に便利です。 * 項目1
- 項目1
1. 項目A
2. 項目B
## おすすめの観光スポット
1. **京都**: 古都の風情、寺院、庭園。
2. **北海道**: 大自然、四季の風景、グルメ。
3. **沖縄**: 美しい海、リゾート、歴史。
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コードブロック(Code Blocks) プログラムのコードや、特定のフォーマットのテキスト(JSONなど)を出力させる場合に非常に重要です。 ```言語名(任意)
ここにコード
```
```vba
Sub HelloWorld()
  MsgBox "Hello, World!"
End Sub
```
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強調(Emphasis) 特定の語句を目立たせる際に使います。 **太字**
*斜体*
この製品の**最も重要な機能**は、その*優れたパフォーマンス*です。
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表(Tables) 構造化されたデータを分かりやすく表示する際に有効です。 | ヘッダー1 | ヘッダー2 |
|---|---|
| データ1 | データ2 |
| データ3 | データ4 |
|製品名|価格|特徴|
|---|---|---|
|製品A|1000円|特徴1|
|製品B|1500円|特徴2|
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プロンプトにMarkdown記法を意識的に組み込むことで、AIの出力は単なるテキストから、すぐに活用できる構造化された情報へと進化します。
ぜひこれらのテクニックを活用し、生成AIの可能性を最大限に引き出してください。

5. プロンプト作成の核心:テンプレート項目の詳細解説

上記チェックリストの各項目に対応する、より詳細な解説です。それぞれの項目がなぜ重要なのか、どのような情報を記載すべきか、具体的な例を交えて説明します。プロンプト作成の際に参照しながら記述を進めてみてください。

1. 目的 (目的 / ゴール)

★ポイント:
このプロンプトを通じて最終的に何を達成したいのか、最終的なアウトプットの用途まで含めて明確にしましょう。AIの応答の方向性を定める最も基本的な要素です。
  • 記載する情報:
    • 具体的なタスク内容と、そのタスク完了後の望ましい状態。
    • 最終的なアウトプットの形式や用途(例: 資料として使う、メールで送るなど)。
  • 記載例:
    • 「新商品のキャッチコピー案を複数得る(社内ブレスト資料用)」
    • 「難しい技術文書を初心者にもわかるように要約する(ブログ記事の原案)」
  • 補足Tips:
    • 目的が明確になるほど、AIは生成する内容の方向性を誤りにくくなります。

2. 背景・状況 (状況 / 背景 / 使用シーン)

★ポイント:
タスクを取り巻く具体的な状況や文脈、前提となる情報をAIに理解させましょう。これにより、より適切で関連性の高い情報が生成されます。
  • 記載する情報:
    • タスクを取り巻く環境、AIに理解させておきたい背景情報。
    • アウトプットが使われる具体的な場面。
  • 記載例:
    • 「来週の経営会議で使用する資料作成のため、短時間で効率的に情報を集めたい状況」
    • 「初めてそのトピックについて学ぶ中学生向けに、専門用語を使わずに説明が必要な場面」
  • 補足Tips:
    • AIは文脈を理解することで、より自然で状況に適した応答が可能になります。

3. 役割・ペルソナ (役割 / ペルソナ)

★ポイント:
AIにどのような人物像や専門家として振る舞ってほしいかを指定します。これにより、出力される情報の質やトーン、視点が大きく影響されます。複数の視点(例: 技術者+営業担当者)での出力が必要な場合は、それぞれの役割を明確に指定しましょう。
  • 記載する情報:
    • AIに期待する立場、専門性、キャラクター、あるいは出力に反映させたい特定の視点。
  • 記載例:
    • 「経験豊富なマーケティング戦略コンサルタント」
    • 「大学で歴史を教えている先生」
    • 「(ロール1)技術的な詳細に詳しいエンジニア、(ロール2)顧客への説明が得意な営業担当者」
  • 補足Tips:
    • 役割指定によって、出力される情報の深さ、視点、トーンが大きく変わります。

4. 指示内容 (指示内容 / 依頼内容)

★ポイント:
AIに具体的に行ってほしいアクションを明確に指示します。プロンプトの最も重要な部分です。
  • 記載する情報:
    • 具体的なアクション(要約する、生成する、比較する、分析する、リストアップするなど)と、その対象。
  • 記載例:
    • 「以下の文章を、主要なポイントに絞って要約してください。」
    • 「AとBのビジネスモデルを比較し、それぞれの強みと弱みを分析してください。」
  • 補足Tips:
    • 明確な動詞を使うと、AIは何をすべきか理解しやすくなります。複雑なタスクは分解して段階的に指示することも検討しましょう(後述の注意点も参照)。

5. 含める要素 (含めるべき要素)

★ポイント:
生成される出力に必ず盛り込んでほしい特定の情報、キーワード、概念、特定の視点や観点などを具体的に指定します。
  • 記載する情報:
    • 出力に必須となる単語、フレーズ、データ、特定の情報源、考慮すべき特定の視点や切り口。
  • 記載例:
    • 「『デジタルトランスフォーメーション』と『DX人材』というキーワードを含める」
    • 「環境問題の視点からメリット・デメリットを述べる」
  • 補足Tips:
    • 1重要なキーワードや概念を指定することで、出力が脱線するのを防ぎ、意図に沿った内容を生成させやすくなります。特定の「視点」を指定すると、分析や解説の切り口を制御できます。

6. 除外要素 (除外する要素)

★ポイント:
生成される出力に含めてほしくない情報、表現、トーン、特定の視点や観点などを指定します。不要な情報や不適切な内容の生成を防ぐために重要です。
  • 記載する情報:
    • 避けるべき単語、フレーズ、テーマ、不適切な可能性のある内容、除外したい視点や切り口。
  • 記載例:
    • 「専門家以外には理解できない専門用語を使わない」
    • 「個人的な意見や感情的な表現を含めない」
    • 「特定の政治的な見解に偏らない」
  • 補足Tips:
    • 「ネガティブ制約」とも呼ばれます。含めてほしくないものを明示することで、より安全で目的に沿った出力が得られます。

7. 読者・受け手 (想定される読者 / 受け手)

★ポイント:
生成されたアウトプットを見る人、あるいは利用する人がどのような人物か(知識レベル、背景、ニーズなど)を明確に指定します。これによって、AIは適切な語彙や説明の深さ、難易度を選択できます。
  • 記載する情報:
    • 想定される読者層、その知識レベル、その情報に対する興味やニーズ。
  • 記載例:
    • 「ITに関する予備知識がないビジネス部門の責任者」
    • 「大学で〇〇分野を専攻している学生」
    • 「中学生でも理解できるように」
  • 補足Tips:
    • 読者像を明確にすることで、説明の丁寧さや専門用語の使い方が適切になり、出力の質が向上します。

8. 出力粒度 (回答スタイル / 出力の粒度)

★ポイント:
生成される出力の「抽象的か・具体的か」「概要レベルか・詳細レベルか」など、情報の深さや粒度を指定します。どのような場面でどの粒度が適しているか検討しましょう。
  • 記載する情報:
    • 求める情報の詳細度、抽象度、具体的な記述の量など。
  • 記載例:
    • 「概要レベルで説明してください(各項目2~3行程度)。」
    • 「技術的な詳細も含めて、網羅的に記述してください。」
    • 「重要なポイントに絞って、簡潔にまとめてください。」
  • 補足Tips:
    • 使い分けの例:
    • ビジネス会議資料向け: 概要レベルで簡潔に(各項目2~3行)
    • 技術的検討用資料向け: 詳細な技術用語も含めて網羅的に
    • 社内Slackでの情報共有: 重要なポイントに絞って簡潔に
    • 学習用資料: 専門用語には必ず簡単な補足説明を加えて、ステップバイステップで

9. 出力形式 (出力形式 / 構成)

★ポイント:
どのような形式でアウトプットしてほしいか(箇条書き、表、Markdown、文字数制限など)を明示しましょう。フォーマット次第で使いやすさが大きく変わります。
  • 記載する情報:
    • 箇条書き/表形式/段落数/章立ての構造/全体の文字数/行数/出力ファイル形式(例: Markdown、HTMLなど)など。
  • 記載例:
    • 「以下の項目を箇条書きで5点挙げてください。」
    • 「Markdown形式のテーブルで出力してください。」
    • 「全体の文字数を400字~600字の範囲にする。」
    補足Tips:具体的な形式を指定することで、後工程での加工や利用が容易になります。特にMarkdown形式を指示することで、AIは整形された、より利用しやすい出力を生成しやすくなります。
  • 補足Tips:
    • 具体的な形式を指定することで、後工程での加工や利用が容易になります。

10. トーン・文体 (トーン / 文体)

★ポイント:
生成されるアウトプットの雰囲気や口調を指定します。想定される読者(7の項目)や使用シーンに合わせて調整します。
  • 記載する情報:
    • 丁寧、カジュアル、専門的、ユーモラス、客観的、説得力のあるなど、求める文体の指定。
  • 記載例:
    • 「ビジネスの場面で使える、丁寧かつ簡潔な言葉遣い。」
    • 「若者向けの親しみやすく、少しトレンド感のある文体。」
    • 「客観的事実に基づいた、権威のある文体。」
  • 補足Tips:
    • 読者や目的に合わないトーンだと、内容が正しく伝わらない可能性があります。

11. 制約 (制約条件)

★ポイント:
タスク全体に適用される特別なルールや制限を指定します。情報源の指定、特定のガイドラインへの準拠、倫理的な配慮なども含みます。
  • 記載する情報:
    • 情報収集の範囲、参照すべき特定の資料やガイドライン、遵守すべき倫理的な基準、求められる創造性のレベルなど。
  • 記載例:
    • 「提供した[添付ファイル名]の情報のみを使用して回答を生成する(外部情報の参照禁止)。」
    • 「弊社の[コンプライアンス規程名]に準拠する。」
  • 補足Tips:
    • 特に業務利用においては、情報源の制限やコンプライアンス順守などの制約は重要です。

12. 参考資料・例 (参考資料 / 出力例)

★ポイント:
AIがあなたの意図をより深く理解し、期待する品質の出力を生成するための手本となる情報や具体的な例を示します。求める出力のサンプル(Few-shot Learning)は非常に有効です。
  • 記載する情報:
    • 関連する過去のやり取り、参考になるドキュメントへのリンクや内容、理想的な出力の具体的なサンプル(プロンプトとそれに対する期待される応答のペアなど)。
  • 記載例:
    • 「以前に〇〇について説明してもらった際の、箇条書きで分かりやすくまとめる形式を参考にしてください。」
    • 以下のような回答のイメージです:
      
      [プロンプトの例]
      〇〇のメリットを教えてください。
      
      [それに対する期待される回答例]
      〇〇のメリットは3つあります。
      1. ~~
      2. ~~
      3. ~~
  • 補足Tips:
    • 「百聞は一見に如かず」。言葉で説明しきれないニュアンスや形式を伝えるのに役立ちます。


6. 実践テクニック:プロンプト修正(イテレーション)の具体例

最初のプロンプトで期待通りの出力が得られないことは、生成AIとの対話において頻繁に起こります。このような場合、出力結果を見ながらプロンプトを修正・改善していく「イテレーション(繰り返し)」のプロセスが非常に重要です。ここでは、具体的にどのようにプロンプトを改善していくか、例を通じて見てみましょう。

項目 初回プロンプト(Before) 修正後プロンプト(After) 改善ポイント
プロンプト全文 「新商品のキャッチコピーを考えてください。」 「新しい健康食品ブランド『Natura』の20代女性向けキャッチコピーを5案作ってください。商品の特徴である『自然派』『無添加』『手軽さ』『美味しさ』を盛り込み、『続けやすい』と感じる視点を加えてください。読者はSNSユーザー(20代女性)想定。親しみやすく共感を呼ぶトーンで、各案15字以内、簡単な説明付き(1~2行)、箇条書きでお願いします。製品詳細はこちら:[URLまたは添付ファイル名]」 テンプレートの多くの項目(目的、背景、役割、含める要素、読者、粒度、形式、トーン、参考資料など)を具体的に追加・指定し、情報不足と曖昧さを解消した。AIの理解が深まり、より意図に沿った出力が期待できる。
目的 ✖ 記載なし ✅ 新商品のコピー案を得たい(SNS投稿用) 何のためにキャッチコピーが必要か、その用途を明確にしたことで、AIは出力の方向性を把握しやすくなった。
背景・状況 ✖ 記載なし ✅ 20代女性をターゲットにした自然派・無添加の食品ブランド立ち上げ ターゲット層やブランドの立ち位置といった背景情報を提供し、AIが適切な文脈で思考できるようにした。
役割・ペルソナ ✖ 記載なし ✅ ブランディングとターゲット心理に精通したコピーライター 求めるアウトプットの質を高めるため、AIに専門的な役割を与えた。
指示内容 「キャッチコピーを考えてください。」 「商品情報を元に、ターゲット層に魅力的なキャッチコピーを5つ考案してください。」 何を元に、誰に向けて、いくつ考案するかを具体的に指示した。
含める要素 ✖ 記載なし ✅ 自然・無添加・手軽さ・美味しさ、続けやすい視点 商品の強みや、ターゲットにとって重要な価値観といった「必須キーワード・視点」を明確に指定したことで、出力内容の関連性を高めた。
除外要素 ✖ 記載なし ✅ 誇大表現、専門用語 不要な表現や、ターゲットに合わない用語を避けるための制約を追加した。
読者・受け手 ✖ なし ✅ 20代女性、SNSユーザー(健康に関心があるが面倒なことが苦手) 誰に向けての情報かを明確にすることで、AIは適切な語彙、説明レベル、トーンを選択しやすくなった。特にSNSユーザーという指定が、出力形式や文体のヒントになる。
出力粒度 ✖ 未指定 ✅ 各案15字以内、簡単な説明1~2行付き 求めるアウトプットの具体的な長さや詳細度を指定することで、出力のばらつきを防いだ。SNS投稿という用途に合わせた簡潔な粒度指定。
出力形式 ✖ 未指定 ✅ 箇条書き、各案に番号 求めるアウトプットの形式を指定することで、後工程での利用が容易になった。
トーン・文体 ✖ 未指定 ✅ 親しみやすく共感を呼ぶトーン ターゲット層に響くための具体的な雰囲気や口調を指定した。
制約 ✖ 未指定 ✅ 提供した商品情報のみ使用 情報源の制限を設けることで、出力の信頼性や関連性を高めた。
参考資料・例 ✖ 未指定 ✅ [製品情報URL]、[参考にしたいSNS投稿の例] AIがより深く意図を理解し、期待する品質の出力を生成するための手本となる情報を提供した。
新しい修正例:出力形式の改善(Markdownの活用) 初回プロンプト:
「生成AIのメリットとデメリットについて教えてください。」
AIの初回出力例(想定):
生成AIにはいくつかのメリットとデメリットがあります。メリットとしては、作業の効率化、新しいアイデアの創出、コスト削減などが挙げられます。デメリットとしては、誤情報の生成、倫理的な問題、著作権の問題などがあります。
修正後プロンプト:
「生成AIのメリットとデメリットについて、メリットとデメリットをそれぞれ見出し(h2)で分け、各項目を箇条書き(`-`を使用)で簡潔にまとめてください。」
AIの修正後出力例(想定):
```markdown
## メリット
- 作業の効率化
- 新しいアイデアの創出
- コスト削減

## デメリット
- 誤情報の生成
- 倫理的な問題
- 著作権の問題
初回の出力はテキストの羅列で読みにくかった。Markdownの見出しと箇条書きをプロンプトで明確に指示することで、AIは構造化された、非常に読みやすい形式で出力するようになった。これにより、情報の整理や、後のドキュメント作成での再利用が格段に容易になる。


7. さらに活用するために:重要な注意点とよくある質問(FAQ)

プロンプト作成テンプレートを活用するだけでなく、いくつかの重要な注意点を理解しておくことで、さらに効果的に生成AIを活用できます。実践者が抱きやすい疑問点についても、FAQ形式でまとめました。

重要な注意点

  • 複雑なタスクは分解し、段階的なプロンプトを心がける:
    • 理由と実践方法:一度に多くの複雑な指示を与えると、AIが混乱したり、意図しない結果を生成したりする可能性が高まります。特に、複数のステップが必要な分析や、高度な推論・判断を伴うタスクは、細かく分けて順番に指示を出すことで、AIの処理精度を高め、期待する結果を得やすくなります。「まずステップ1でAを実行し、その結果を使ってステップ2でBを実行してください」のように、AIの思考や作業を段階的に誘導しましょう。
    • 関連テンプレート項目: 主に「4. 指示内容」の複雑さを軽減するために役立ちます。

  • 一度で完璧を目指さず、繰り返し調整(イテレーション)する前提で試す:
    • 理由と実践方法:最初のプロンプトで期待通りの出力が得られないことはよくあります。生成された出力を見ながら、上記のテンプレートの各項目を見直し、プロンプトを修正・改善していくプロセスを繰り返すことが非常に重要です。上記の「5. プロンプト修正の具体例」を参考に、積極的にプロンプトを改善しましょう。
    • 関連テンプレート項目: テンプレート全体の見直しプロセスに関わります。

  • 必要に応じてAIの思考プロセスを指示する:
    • 理由と実践方法:単に最終的な結果だけでなく、AIがどのようにその結果に至ったのか、どのような理由や根拠に基づいているのかを示してほしい場合に有効です。特に、分析、判断、問題解決などのタスクにおいて、AIの思考の道筋を可視化することで、出力の信頼性を確認したり、根拠を理解したりすることができます。「~の理由を3つ挙げてください」「〇〇の観点から分析し、その思考プロセスを説明してください」「判断に至った根拠を示してください」のように指示することで、AIの論理的な思考を促すことができます。
    • 関連テンプレート項目: 主に「4. 指示内容」の中で、思考プロセスを促す指示として盛り込めます。「8. 出力粒度」で思考プロセス自体を出力の粒度として指定することもできます。

よくある質問(FAQ)

Q1. すべてのテンプレート項目を必ず埋める必要がありますか?
A1. いいえ、すべての項目を詳細に記述する必要はありません。タスクの目的や複雑さに応じて、必要な項目だけを使用してください。ただし、一般的には「1. 目的」「4. 指示内容」「5. 含める要素」「7. 読者・受け手」「9. 出力形式」「10. トーン・文体」の項目は、高品質な出力を得る上で特に重要となることが多いです。まずこれらの核となる項目から記述を始め、必要に応じて他の項目を追加していくのがおすすめです。

Q2. プロンプトが長すぎるとAIが混乱しませんか?
A2. プロンプトの「長さ」そのものよりも、プロンプトの「明確さ」と「構造」が重要です。曖昧で短い指示よりも、多くの情報を含んでいても、各項目が論理的に整理され、明確な指示が与えられている長いプロンプトの方が、AIは意図を正確に理解し、高品質な出力を生成しやすい傾向があります。ただし、あまりに長すぎると、AIの処理能力やモデルの入力制限にかかる可能性はあります。必要に応じて、情報を圧縮したり、タスクを複数に分割したりすることを検討してください。

Q3. 専門用語や社内用語は使っても大丈夫ですか?
A3. AIモデルは大量のテキストデータで学習しているため、一般的な専門用語であれば理解できる可能性が高いです。しかし、非常にニッチな用語や社内固有の用語は理解できない場合があります。読者・受け手が専門家でない場合は、専門用語の使用を避けるか、「6. 除外要素」に指定することを検討してください。AIに理解させたい特定の用語がある場合は、「5. 含める要素」に指定したり、「12. 参考資料・例」でその用語の意味や使い方を補足したりすると効果的です。

Q4. 倫理的に問題のある出力や、誤った情報を避けるにはどうすればいいですか?
A4. 「6. 除外要素」や「11. 制約」の項目を積極的に活用し、「差別的な表現を含めない」「虚偽の情報を含めない」「特定のガイドラインに準拠する」といった倫理的・事実正確性に関する制約を明確に指示してください。しかし、AIが常に指示通りに動作するとは限りません。生成された出力は鵜呑みにせず、特に重要な情報や公開する情報については、必ず人間がファクトチェックや倫理的な観点からのレビューを行うようにしてください。

Q5. プロンプトを書く際の改行について、何か注意することはありますか?
A5. はい、人間にとっての読みやすさのために改行を入れることは推奨されますが、いくつか注意点があります。
  • 単なる改行: 項目名と内容の間や、長い文章の途中で単に改行(Enterキーを一度押すなど)を入れることは、人間にとっての可読性を高めます。AIもこれを認識し、通常は同じ項目内の情報として関連付けて処理しますので、問題ありません。
  • 連続する改行(空白行): 一方、項目名と内容の間や、内容の途中で連続して改行(空白行)を多く入れると、AIがそこを情報の区切り、あるいは新しい段落の始まりとして強く認識する可能性があります。項目と項目の間など、明確に情報を区切りたい場所では空白行が有効ですが、同じ項目内の内容の途中に多用すると、意図せず情報が分断されてしまい、AIの理解を妨げるリスクもゼロではありません。
  • 箇条書き: 箇条書き(ハイフン - やアスタリスク *、数字 1. 2. など)を使う際は、各項目の後に改行を入れることがAIの理解を助け、リスト形式で情報を認識させやすくなります。
したがって、人間にとっての読みやすさを保ちつつ、意図しない場所での過度な空白行の挿入は避けるのがおすすめです。特に、同じ項目内では単なる改行に留めるか、空白行を控えめに使用することを推奨します。


8. 手軽に始める:軽量版プロンプト作成テンプレート

生成AIへの指示は、必ずしもすべての項目を詳細に記述する必要はありません。簡単なタスクや、まず素早くアウトプットを得たい場合には、テンプレートの核となる要素に絞った「軽量版」から始めることができます。プロンプト作成に慣れるための最初の一歩としても活用いただけます。
以下の5項目は、プロンプト作成において特に重要となる基本的な要素です。

  1. 目的 (このプロンプトで何を達成したいか)
  2. 指示内容 (AIに具体的に行ってほしいアクション)
  3. 含める要素 (出力に必ず含めるべき情報)
  4. 出力形式 (求めるアウトプットの形式や文字数)
  5. トーン・文体 (出力の雰囲気や口調)

なぜ軽量版を使うのか?

  • すべてのタスクが複雑なわけではなく、シンプルな指示で十分な場合があるためです。
  • 素早くアイデアを得たい、短い文章を生成したいなど、簡易的なタスクで試したい場合に時間を節約できます。
  • プロンプト作成の全体像を把握し、徐々に詳細な指定に慣れていくためのステップとして適しています。

軽量版が適しているタスク例:

  • ブレインストーミングやアイデア出し(例: 「〇〇に関するアイデアを10個出して」)
  • 短いメールやチャットの文章作成(例: 「〇〇さんへの感謝の短いメールを作成して」)
  • 簡単な質問への回答生成(例: 「△△の定義を教えて」)
  • 短い詩や俳句などの創造的な文章生成
  • 単語の定義や簡単な説明の取得

軽量版の限界と注意点:

  • 複雑なタスクには不向き: 複数の手順が必要な複雑な分析、正確性や網羅性が厳密に求められるレポート作成などには、情報が不足しやすいため適していません。
  • 意図しない出力のリスク: 情報が少ない分、AIが意図を推測する範囲が広くなり、期待通りの出力が得られない可能性が高まる場合があります。
  • 詳細が必要な場合はフルテンプレートを: もし得られた出力が意図と異なる場合や、より高品質・高精度な出力を求める場合は、迷わずフルテンプレート(12項目)を活用し、詳細な情報を追記してください。
軽量版から始めて、必要に応じて他の項目(背景・状況、役割・ペルソナ、読者・受け手、制約、参考資料・例など)を追加していくことで、より効果的に生成AIを使いこなせるようになります。


9. すぐに使える:プロンプト作成テンプレート(記入用フォーム形式)

以下の形式をコピーして、ご自身のプロンプト作成にご活用ください。各項目のカッコ内は、対応するテンプレート項目の正式名称です。

生成AIプロンプト作成テンプレート(記入用)

【1. 目的】
(このプロンプトで何を達成したいか、最終的なアウトプットとその用途)
記入:

【2. 背景・状況】
(タスクを取り巻く背景情報、プロンプトを使う具体的な場面)
記入:

【3. 役割・ペルソナ】
(AIにどのような立場で回答してほしいか)
記入:

【4. 指示内容】
(AIに具体的に行ってほしいアクション)
記入:

【5. 含める要素】
(出力に必ず含めてほしい情報、キーワード、視点など)
記入:

【6. 除外要素】
(出力に含めてほしくない情報、表現など)
記入:

【7. 読者・受け手】
(生成された出力を見る人がどのような人物か)
記入:

【8. 出力粒度】
(出力の情報の深さや詳細度)
記入:

【9. 出力形式】
(アウトプットの具体的な形式、構成、文字数など)
記入:

【10. トーン・文体】
(出力の雰囲気や口調)
記入:

【11. 制約】
(タスク全体に適用される特別なルールや制限)
記入:

【12. 参考資料・例】
(AIの理解を助ける情報源や、求める出力のサンプル)
記入:


10. 【付録】VBA作成依頼プロンプト例集

この付録では、特定のタスクを自動化するためのVBAコード作成をAIに依頼する際のプロンプト例をいくつかご紹介します。VBAコードの作成を依頼する際は、「どのようなアプリケーションで」「どのようなオブジェクトを対象に」「具体的にどのような操作を自動化したいのか」を明確に伝えることが重要です。
これらの例を参考に、ご自身の自動化したいタスクに合わせてプロンプトを作成してみてください。

例1:Excelシートのデータ集計と出力

このプロンプトは、Excelの特定シートからデータを集計し、別のシートに結果を書き出すVBAコードを作成するための例です。

【1. 目的】
Excelシートのデータを集計し、その結果を別のシートに書き出すVBAコードを作成したい。

【2. 背景・状況】
毎月作成される売上データシートから、商品ごとの合計売上金額を集計する作業を手作業で行っており、この作業を自動化したいです。

【3. 役割・ペルソナ】
Excel VBAの専門家として、効率的で分かりやすいコードを記述してください。

【4. 指示内容】
以下の手順でデータの集計と出力を行うVBAコードを作成してください。
1. Excelファイル内の「売上データ」という名前のシートを操作対象とします。
2. 「売上データ」シートのA列(商品名)とC列(売上金額)を使用します。
3. A列の商品名で重複なく抽出し、各商品名に対応するC列の売上金額の合計を計算します。
4. 新しいシートを作成し、そのシート名を「集計結果」とします。
5. 「集計結果」シートのA1セルに「商品名」、B1セルに「合計売上」というヘッダーを記述します。
6. ヘッダーの下の行から、集計した商品名と合計売上金額のペアを順に書き出します。
7. 集計対象データの範囲は、A列とC列のデータが入っている最終行までとします。

【5. 含める要素】
- 商品名ごとの合計売上金額が正しく集計されていること。
- 集計結果が新しいシート「集計結果」に書き出されていること。
- ヘッダー行が正しく設定されていること。
- コード内に簡単なコメントを記述し、何を行っているか分かるようにしてください。

【6. 除外要素】
- マクロ実行前にファイル保存を行う処理は含めないでください。
- メッセージボックスなどで途中の処理状況を表示する必要はありません。

【7. 読者・受け手】
このVBAコードは、VBAの知識があまりない担当者も使用するため、実行が容易であること(Subプロシージャとして作成)を想定しています。

【8. 出力粒度】
タスクを達成するための必要十分なコードを記述してください。冗長なコードは不要です。

【9. 出力形式】
標準モジュールに記述するSubプロシージャ形式のVBAコードとして出力してください。

【10. トーン・文体】
コードとして正確で分かりやすい記述に徹してください。コメントは丁寧語である必要はありません。

【11. 制約】
- 外部のライブラリやアドインに依存しない、基本的なVBA機能のみを使用してください。
- Excel 2016以降のバージョンで動作することを想定しています。

【12. 参考資料・例】
「売上データ」シートの構造イメージ:
A列        B列    C列
商品名    担当者  売上金額
りんご     山田   1000
みかん     佐藤   500
りんご     田中   1200
みかん     山田   600
ばなな     佐藤   800
(データは数百行程度あります)

例2:Outlookメールの件名と差出人をExcelに書き出す

このプロンプトは、Outlookの特定のフォルダにあるメールから情報を抽出し、Excelシートに書き出すVBAコードを作成するための例です。

【1. 目的】
Outlookの特定フォルダ内のメールから件名と差出人を取得し、Excelシートに一覧として書き出すVBAコードを作成したい。

【2. 背景・状況】
特定の顧客からの問い合わせメールの件名と差出人をリスト化し、対応状況管理のために利用したいです。手作業でのリストアップに時間がかかっています。

【3. 役割・ペルソナ】
Outlook VBAとExcel VBAに精通したプログラマーとして、堅牢で実用的なコードを記述してください。

【4. 指示内容】
以下の手順でメール情報の取得と出力を行うVBAコードを作成してください。
1. Outlookの受信トレイ内にある「顧客問い合わせ」という名前のサブフォルダを操作対象とします。
2. そのフォルダ内の未読メールすべてを対象とします。
3. 未読メールから「件名」と「差出人のメールアドレス」を取得します。
4. 新しいExcelブックを作成し、そのブックを操作対象とします。
5. 新しいブックのSheet1のA1セルに「件名」、B1セルに「差出人」というヘッダーを記述します。
6. ヘッダーの下の行から、取得したメールの件名と差出人を順に書き出します。
7. 処理が完了したら、新しいExcelブックを指定したフォルダ(例: "C:\MailList\")に「顧客問い合わせリスト_yyyyddmm.xlsx」(yyyyddmmは実行年月日)というファイル名で保存します。
8. 未読メールがない場合は、その旨をメッセージボックスで通知して処理を終了します。

【5. 含める要素】
・ 指定したOutlookフォルダ内の未読メールがすべて処理対象となっていること。
・ 件名と差出人のメールアドレスが正しく取得されていること。
・ 新しいExcelブックに正しい形式で書き出されていること。
・ ファイル名に実行年月日が含まれていること。
・ 処理完了メッセージ、または未読メールがない場合のメッセージが表示されること。

【6. 除外要素】
・ メール本文を取得する処理は含めないでください。
・ 処理済みのメールを既読にする処理は含めないでください。

【7. 読者・受け手】
このVBAコードは、OutlookとExcelの基本的な操作ができる担当者が使用します。エラー発生時も分かりやすいメッセージがあると助かります。

【8. 出力粒度】
タスクを達成するための必要十分なコードを記述してください。OutlookオブジェクトとExcelオブジェクトの参照設定が必要な場合は、その旨をコードの先頭にコメントで記述してください。

【9. 出力形式】
標準モジュールに記述するSubプロシージャ形式のVBAコードとして出力してください。主要な処理にはコメントを記述してください。

【10. トーン・文体】
コードとして正確で分かりやすい記述に徹してください。ユーザーへのメッセージは丁寧語で記述してください。

【11. 制約】
・ OutlookとExcelがインストールされている環境で実行できること。
・ セキュリティ上の制約から、外部への情報送信やレジストリ操作は行わないでください。

【12. 参考資料・例】
Outlookフォルダ構造イメージ:受信トレイ > 顧客問い合わせ
Excel出力イメージ:
A列        B列
件名       差出人
件名A     [email protected]
件名B     [email protected]
...

例3:複数Excelファイルのデータを一つのシートに統合する

このプロンプトは、特定のフォルダにある複数のExcelファイルからデータを読み込み、現在開いているExcelブックのシートに統合するVBAコードを作成するための例です。

【1. 目的】
特定のフォルダ内にある複数のExcelファイルからデータを読み込み、現在開いているExcelブックの指定シートにデータを統合するVBAコードを作成したい。

【2. 背景・状況】
日次または週次で複数の担当者からExcelファイル形式で提出される報告書データを、手作業で一つのファイルにコピペして集計しており、この作業を自動化したいです。報告書のファイル形式は統一されています。

【3. 役割・ペルソナ】
効率的なファイル操作とデータ処理に長けたExcel VBAの専門家として、堅牢なコードを記述してください。

【4. 指示内容】
以下の手順で複数ファイルのデータを統合するVBAコードを作成してください。
1. 統合対象のファイルが格納されているフォルダパスを指定できるようにします(コード内に変数として記述、例: "C:\ReportData\")。
2. 指定したフォルダ内にある全てのExcelファイル(拡張子 .xlsx および .xls のファイル)を処理対象とします。
3. 各ファイルを開き、「詳細データ」という名前のシートを選択します。
4. そのシートのA列からE列まで(データ範囲)をコピーします。データ範囲はA列の最終行までとします。
5. コピーしたデータを、このVBAコードを実行しているExcelブック(マクロブック)の「統合データ」という名前のシートに貼り付けます。貼り付け先は、既存データの最終行の次の行とします。
6. 最初のファイルからデータをコピーする際はヘッダー行を含めますが、2番目以降のファイルからのコピー時にはヘッダー行(1行目)を除外して、データ部分のみを貼り付けます。
7. 各ファイルの処理後、元のファイルは保存せずに閉じます。
8. 全てのファイルの処理が完了したら、「データ統合が完了しました。」というメッセージボックスを表示します。

【5. 含める要素】
・ 指定フォルダ内のExcelファイルがすべて処理対象となっていること(サブフォルダは対象外)。
・ 各ファイルの「詳細データ」シートからA:E列のデータが正確にコピーされていること。
・ マクロブックの「統合データ」シートに、既存データを上書きせずに追加されていること。
・ 2番目以降のファイルからのコピー時にはヘッダーが除外されていること。
・ 処理完了メッセージが表示されること。

【6. 除外要素】
・ マクロブック自体を保存する処理は含めないでください。
・ 元ファイルのデータを変更する処理は含めないでください。
・ 指定フォルダにないファイルを操作する処理は含めないでください。

【7. 読者・受け手】
このVBAコードは、Excelの基本的な操作ができる担当者が使用します。エラー発生時も分かりやすいメッセージがあると助かります。

【8. 出力粒度】
タスクを達成するための必要十分なコードを記述してください。エラーハンドリングとして、指定フォルダが存在しない場合や、フォルダ内にExcelファイルがない場合、またはファイルに「詳細データ」シートが存在しない場合の処理(スキップまたはエラーメッセージ)を含めてください。

【9. 出力形式】
標準モジュールに記述するSubプロシージャ形式のVBAコードとして出力してください。主要な処理にはコメントを記述してください。

【10. トーン・文体】
コードとして正確で分かりやすい記述に徹してください。ユーザーへのメッセージは丁寧語で記述してください。

【11. 制約】
・ Excelがインストールされている環境で実行できること。
・ 非常に多数のファイル(例: 1000ファイル以上)の処理は想定しない(一般的な利用範囲を想定)。

【12. 参考資料・例】
対象となるExcelファイルの「詳細データ」シートの構造イメージ:
A列   B列      C列     D列    E列
日付  支店名   商品名   数量   売上金額
2025/05/01 東京   りんご   10    10000
2025/05/01 大阪   みかん   5     2500
(ファイルごとにデータ内容は異なりますが、シート名と列構成は共通です)

マクロブックの「統合データ」シートには、あらかじめ以下のヘッダー行が作成されていることを前提とします:
A1:日付, B1:支店名, C1:商品名, D1:数量, E1:売上金額

この「すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド」が、あなたの生成AI活用をより効果的で実りあるものにする一助となれば幸いです。



※この記事の作成には生成AI(ChatGPTとGemini)を使用しています。




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