Excel VBAとは?マクロとの違いやメリット・デメリットを初心者向けに解説
Excelを使っていると、「マクロ」や「VBA」という言葉を聞くことがあるかもしれません。
「作業を自動化できるらしいけど、何が違うの?」「難しそう…」と感じる方もいるでしょう。
ここでは、Excelの「マクロ」と「VBA」の違い、そしてVBAを使うことのメリット・デメリットを初心者の方にも分かりやすく解説します。
1. 「マクロ」とは? - 操作の記録・再生機能
例えるなら「操作の録音・再生」
そして、ボタン一つで「録音」した操作をそっくりそのまま「再生」してくれるのです。
主な目的
作り方
「マクロの記録」で作れることの例
- 表の決まった範囲に罫線を引いて色を付ける。
- 特定のシートのデータをコピーして、別のシートの決まった場所に貼り付ける。
- 印刷範囲を設定して印刷する。
2. 「VBA」とは? - マクロを作るためのプログラミング言語
例えるなら「操作を指示する言葉(言語)」
VBAを自分で書いたり編集したりすることで、「マクロの記録」だけでは実現できない、もっと複雑で柔軟な自動化が可能になります。
主な目的
作り方
3. マクロとVBAの主な違いまとめ
特徴 | マクロ (主に「マクロの記録」を指す場合) | VBA (Visual Basic for Applications) |
役割 | Excel操作の記録・再生機能 | マクロを作成・編集するためのプログラミング言語 |
実態 | VBAコードで記述されたプログラム | プログラミング言語そのもの |
作成方法 | 主に「マクロの記録」機能 | VBEでコードを記述(記録機能もVBAを生成) |
できること | 記録可能な定型操作の自動化 | 条件分岐、繰り返し、他アプリ連携など高度な処理 |
難易度 | 比較的易しい(記録だけなら知識不要) | 学習が必要(プログラミングの基礎知識) |
簡単に言うと
VBA: そのマクロを動かしている「プログラミング言語」。VBAを学ぶことで、より強力なマクロが作れるようになる。
4. VBAを使うメリット
作業時間の大幅な短縮
空いた時間を、より重要な分析や判断業務に充てられます。
ヒューマンエラーの削減
複雑な処理の自動化
Excel機能の拡張
他アプリケーションとの連携
プログラミングの基礎が学べる:
VBAは比較的習得しやすい言語であり、プログラミング的思考(論理立てて処理を考える力)を身につける良い入口になります。
5. VBAを使うデメリット・注意点
学習コストがかかる
コードが複雑化しやすい(属人化リスク)
作成者以外には理解や修正が難しい「属人化」したマクロにならないよう、分かりやすいコード記述やコメント付与が重要になります。
メンテナンスが必要
セキュリティリスク
そのため、Excelにはマクロの実行を制限するセキュリティ機能があります。
信頼できない入手元のマクロ付きファイルを開く際は注意が必要です。
自分で作成・利用する分には、過度に心配する必要はありません。
実行環境の制限
Excel Online(Web版)やモバイル版のExcelでは原則として動作しません。
(※代替としてOffice Scriptsという新しい仕組みがあります)
Excel VBAとは?マクロとの違いやメリット・デメリットのまとめ
- マクロはExcelの操作を記録・再生する機能で、簡単な繰り返し作業の自動化に向いています。
- VBAはそのマクロを記述するためのプログラミング言語であり、学習することでより高度で柔軟な自動化が可能になります。
- VBAを使えば、作業効率の大幅アップやミスの削減が期待できますが、学習コストやメンテナンス、セキュリティには注意が必要です。
まずは「マクロの記録」機能から試してみて、「もっと複雑なことを自動化したい!」と感じたら、VBAの学習を始めてみるのがおすすめです。
VBAの基本を少し覚えるだけでも、Excelの活用範囲は大きく広がります。
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