VBA技術解説
VBAのインデントについて

ExcelマクロVBAの問題点と解決策、VBAの技術的解説
公開日:2020-07-16 最終更新日:2020-11-11

VBAのインデントについて


インデントについてTwitterで連続ツイートしました。
このツイートを基に、さらに補足を付け加えてまとめたものです。


https://twitter.com/yamaoka_ss/status/1283295721358151680

VBAのインデントの模範

VBAのインデントについて
過去は違ってたこともあるかもしれませんが、
今現在の私の方針は、
VB.NET(Visual Studio)のインデント「スマート」と同一にしています。

VBA マクロ インデント

これにより自動的に付けられるインデントに合わせているという事です。

VBからVBAは派生したものです。
そしてVB.NETはVB6の後継になります。
Basicという言語としてはVB.NETが最新になります。
そのVB.NETで自動的に付けられるインデントは、つまりMicrosoftが推奨するインデントという事になります。
従って、これを模範にするという事になります。

VBAのブロックについて

インデントの規則は、単純にブロックを下げるだけです。
ただ、VBAで「ブロック」という用語の定義がはっきりしていないので、そこは何とも、、、
実際ブロックという言葉はあまり見かけませんね。
VBAリファレンスでは、Endステートメントの説明で、
「プロシージャまたはブロックを終了させます。」と書かれています。
ブロックという用語は、VBAリファレンスの「VBA用語集」にも記載されていません。

VBAリファレンスの、End ステートメント (VBA) では、
End
End Function
End If
End Property
End Select
End Sub
End Type
End With
あれ、Enumが抜けてないかい、、、
これらと、ForとDoがブロックになります。

余談ですが
本来ならという言い方が良いかどうか、、、
ブロック内の変数宣言はスコープがブロック内に限定されるべきです。
VBAではこの機能がないので、どうにも説明に困る場合が多いと思う。

VBAのインデントの具体例

話をインデントに戻します。
プロシージャーの中はインデントする。
これは良いでしょう。

後は、End ○○とForとDoです。
この大筋は、まあ大抵の人は了解しているだろうと思います。

Type …
  'インデント
End Type
Enum …
  'インデント
End Enum
Sub …()
  'インデント
End Sub
Function …()
  'インデント
End Function
Property …()
  'インデント
End Property
If … Then
  'インデント
End If
Select Case …
  'インデント
End Select
With …
  'インデント
End With
For …
  'インデント
Next
For Each …
  'インデント
Next
Do
  'インデント
Loop

問題は、Select CaseIfでしょうか。
分岐が入るので、少々まぎれが出てきます。

Select Caseステートメント のインデント

Select Case …
  Case …
    '1ブロック
  Case …
    '1ブロック
End Select

Caseの中がブロックなので、これはインデントすべきものですね。
そこで、Caseはどうなのって話です。

VBAリファレンスのサンプルでは、Caseを下げてなかったりします。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office/vba/language/reference/user-interface-help/select-case-statement

VBA マクロ インデント

VB.NETのサンプルはちゃんと下げられています。
https://docs.microsoft.com/ja-jp/dotnet/visual-basic/language-reference/statements/select-case-statement

VBA マクロ インデント

VB.Netのスマートインデントでは、Caseは下げられます。

そもそも、Select Caseを考えた時、

Select Case …
  'ここ全体としてブロック?
End Select

ここはCaseしか記述できない場所です。
ブロックと言えばブロックですが、結局Caseしか記述できないので判然としません。
ここは深く考えずに、見やすさの為と考えれば良いのではないでしょうか。

Ifステートメントのインデント

If … Then
  '1ブロック
ElseIf … Then
  '1ブロック
Else
  '1ブロック
EndIf

もしここで、Else[If]を下げてしまうと、
最初のThenのブロックと位置が合わなくなります。

If … Then
  '1ブロック
  ElseIf … Then
    '1ブロック
  Else
    '1ブロック
EndIf

最初のThenブロックを2段下げるのも変ですしね。
(過去には2段下げを見た覚えもあるけど)

If … Then
    '1ブロック
  ElseIf … Then
    '1ブロック
  Else
    '1ブロック
EndIf


その他としては、
継続行のインデントと、VBAでは人によってインデントしているものもあります。

継続行のインデント

継続行の開始位置には定めがありません。
必ず一定のインデントは入れますが、いくつ入れるかは都度変わってきます。
ただし、継続行が複数行になる場合は先頭を揃えます。

Sub sample(ByVal arg1 As String, _
      ByVal arg2 As Long, _
      ByVal arg3 As Variant)
  Cells(1, 1) = Cells(1, 2) _
        + Cells(1, 3) _
        + Cells(1, 4)
End Sub

このように、上行の丁度きりの良い位置にあわせる場合が多いです。
ただし1行の長さによっては、単純に1段だけしか下げない場合も多々あります。

人によってインデントしている

時々良く見かけるのが、

Open …
  'インデント
Close

これは私はやりませんが、
1ファイル限定で、これが見やすいと思うなら、VBAではこれでも良いと思います。
VB.NETの自動インデントでは、勝手にインデントで下げたりできません。
※ちなみにVB.NETにOpenはありません。

インデントの最後に

私のインデント規則は以上です。
ありふれた書き方だと思います。

インデントは、あくまで見やすさのためにあるものです。
特にVBAでは、あまり厳密に考える必要は無いと思います。
全体として統一されていて、見やすくなっていれば良いと思います。



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