第138回.外部ライブラリ(ActiveXオブジェクト)
VBAには外部ライブラリ(ActiveXオブジェクト)を操作する事が出来る仕組みがあります。
ActiveXオブジェクトとは、オートメーションをサポートするアプリケーションがオートメーションインターフェイスを通して他のアプリケーションに公開しているオブジェクトです。
VBAでは、このライブラリのオブジェクトを参照することでそのアプリケーションを操作できます。
つまり、そのアプリケーションがインストールされている必要があります。
例えば、Office製品のAccessがインストールされていなければ、AccessのActiveXオブジェクトは利用できません。
したがってマクロVBAの開発環境だけでなく、そのVBA実行環境にも当該アプリケーションがインストールされている必要があります。
良く使われる事の多いIEで使用するActiveXコントロールを指すものではありません。
事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)
事前バインディング
事前バインディングされたオブジェクトでは、アプリケーションが実行される前に、
コンパイラによってメモリの割り当てとその他の最適化が実行されます。
ただし、外部オブジェクトの場合は参照設定が必要になります。
遅延バインディング(実行時バインディング)
この型のオブジェクトは、任意のオブジェクトへの参照を保持できますが、
事前バインディングされたオブジェクトの利点をほとんど持ちません。
実装(VBA記述)の違い
Dim objFSO As Object
Set objFSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")

※ライブラリ一覧はPC環境により変わります。
または、
Dim objFSO As FileSystemObject
Set objFSO = New FileSystemObject
変数宣言の型がObjectが遅延バインディング、特定のオブジェクト型が事前バインディング
事前バインディングと遅延バインディング(実行時バインディング)
参照設定する名前とCreateObject関数の引数文字列が違う為に書き換えに苦労する場合があります。
VBAで良くつかうオブジェクトを以下で一覧にしてしています。
参照設定、CreateObject、オブジェクト式の一覧
VBAで良く使われるライブラリ
「参照設定」のダイアログをみて分かる通り、以下はほんの一部です。
VBAで使えるライブラリは膨大な数が存在します。
Office製品
インターネット情報の取得
InternetExplorer
MSHTML
MSXML2
Selenium
それぞれ以下で解説しています。
メール送受信
ファイルシステムオブジェクト(FileSystemObject)
Dictionary(ディクショナリー)
正規表現(RegExp)
WshShell (Wscript.Shell)
Shell.Application
ADO(ActiveX Data Objects)
OLE DBをActiveXコントロールの形で使えるようにしたプログラミングインターフェースになります。
ActiveXオブジェクトの最後に
とはいえ頻繁に使うものは限られてきます。
ここで紹介したものは広く一般に使われているものです。
紹介したもの以外については、個別に書籍やWEBで調べながら使用してください。
ただし、ライブラリによっては情報が極めて少ないものもありますので、その点はご注意ください。
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