VBA入門
Workbookのイベントプロシージャー

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013-06-07 最終更新日:2021-12-09

第124回.Workbookのイベントプロシージャー


Workbookのイベントプロシージャーは、ブックに対し特定の操作(これがイベント)が行われた時に実行されます。
イベントは、手動でもVBAでも、どちらで操作が行われても発生します。


Workbookのイベントは多数用意されています。
Workbookのイベントの一覧と良く使われる重要なイベントについて解説します。


Workbookのイベント一覧

Workbookに用意されているイベント一覧

イベント 発生条件等
Activate ブック、ワークシート、グラフ シート、または埋め込みグラフがアクティブになったときに発生します。
AddinInstall ブックがアドインとして組み込まれたときに発生します。
AddinUninstall ブックのアドインとして組み込みを解除したときに発生します。
AfterSave ブックが保存された後に発生します。
AfterXmlExport Microsoft Office Excel がデータを保存するか、指定されたワークブックから XML データをエクスポートした後で発生します。
AfterXmlImport 既存の XML データ接続が更新されたか、または開いている Microsoft Excel ブックに新しい XML データがインポートされた後に発生します。
BeforeClose ブックを閉じる前に発生します。ブックが変更された場合、ユーザーに変更内容の保存を要求する前に、このイベントが発生します。
BeforePrint ブックまたはその中に含まれる内容を印刷する前に発生します。
BeforeSave ブックを保存する前に発生します。
BeforeXmlExport Microsoft Office Excel がデータを保存するか、指定されたワークブックから XML データをエクスポートする前に発生します。
BeforeXmlImport 既存の XML データ接続が更新されるか、または開いている Microsoft Excel ブックに新しい XML データがインポートされる前に発生します。
Deactivate グラフ、ワークシート、またはブックが非アクティブになったときに発生します。
NewChart 新しいグラフをブックに作成したときに発生します。
NewSheet 新しいシートをブックに作成したときに発生します。
Open ブックを開いたときに発生します。
PivotTableCloseConnection ピボットテーブル レポート接続が閉じた後に発生します。
PivotTableOpenConnection ピボットテーブル レポート接続が開いた後に発生します。
RowsetComplete ユーザーが OLAP ピボットテーブルで行セット アクションを起動するか、レコードセットを詳細表示するとイベントが発生します。
SheetActivate シートがアクティブになったときに発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetBeforeDoubleClick 既定のダブルクリックの操作の前に、ワークシートをダブルクリックしたときに発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetBeforeRightClick 既定の右クリックの操作の前に、ワークシートを右クリックしたときに発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetCalculate ワークシートを再計算したり、グラフでデータをプロットして変更した後に発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetChange ユーザーまたは外部リンクにより、ワークシートのセルが変更されるときに発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetDeactivate シートが非アクティブになったときに発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetFollowHyperlink Excel のハイパーリンクをクリックすると発生します。ワークシート レベルでのイベントについては、FollowHyperlink イベントのヘルプ トピックを参照してください。
※すべてのシートが対象となります。
SheetPivotTableAfterValueChange ピボットテーブル内のセルまたはセル範囲が編集または再計算された後に発生します (数式を含むセルの場合)。
※すべてのシートが対象となります。
SheetPivotTableBeforeAllocateChanges ピボットテーブルに変更が適用される前に発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetPivotTableBeforeCommitChanges ピボットテーブルの OLAP データ ソースに対する変更が適用される前に発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetPivotTableBeforeDiscardChanges ピボットテーブルに対する変更が破棄される前に発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetPivotTableChangeSync ピボットテーブルが変更された後に発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetPivotTableUpdate ピボットテーブル レポートのシートが更新された後に発生します。
※すべてのシートが対象となります。
SheetSelectionChange いずれかのワークシートで選択範囲を変更したときに発生します。選択範囲がグラフ シート上にある場合は発生しません。
※すべてのシートが対象となります。
Sync ドキュメント ワークスペースに含まれているブックのローカル コピーがサーバー上のコピーと同期されたときに発生します。
WindowActivate ブックのウィンドウがアクティブになったときに発生します。
WindowDeactivate ブックのウィンドウが非アクティブになったときに発生します。
WindowResize ブックのウィンドウ サイズを変更したときに発生します。
AfterRemoteChange リモートユーザーのブックへの編集が結合された後に発生します。
※Excel2016以降
BeforeRemoteChange リモートユーザーのブックへの編集が結合される前に発生します。
※Excel2016以降
ModelChange Excelデータモデルが変更された後に発生します。
※Excel2013以降
SheetBeforeDelete シートが削除されたときに発生します。
※Excel2013以降
SheetLensGalleryRenderComplete ワークシートの引き出し線ギャラリーのアイコン(動的および静的)のレンダリングが完了すると発生します。
※Excel2013以降
SheetTableUpdate シートテーブルが更新された後に発生します。
※Excel2013以降

Workbookのイベントの中で代表的な、
Workbook_Open
Workbook_BeforeClose

Workbook_SheetChange
この3つについて以下で解説します。


イベントプロシージャー追加のVBE操作

コード表示

VBE画面のプロジェクトで「ThisWorkbook」を選択し、

メニューの「表示」→「コード」
右クリックから「コードの表示」
ダブルクリック

いずれかでコードを表示します。


プロシージャーの作成

コードウインドウの上部、
左側のドロップダウンがオブジェクトの選択で、
右側のドロップダウンがイベントの選択になります。

左側のオブジェクトの選択で「Workbook」を選択する。

VBA マクロ ブックのイベント

VBA マクロ ブックのイベント

Workbookの既定のイベントとして、自動でWorkbook_Openが追加されます。
オブジェクトにより既定のイベントは違いますので、目的のイベント以外が挿入された場合は、
右側のイベントのドロップダウンから目的のイベントを選択します。

VBA マクロ ブックのイベント

Private Sub Workbook_イベント名([引数])
引数が必要な場合はその引数も含めて自動的にイベントプロシージャーが追加されます。

VBA マクロ ブックのイベント

自動で追加された「Workbook_Open」が不要であれば消して構いません。


Workbook_Open:Workbookのイベント

ブックが開かれたときに起動されるイベントです。
手動で開く場合も、VBAで開く場合でも起動されます。

Private Sub Workbook_Open()
使用例
ブックを開いた時、先頭シートのA1セルに移動します。

Private Sub Workbook_Open()
  Sheets(1).Select
  Application.Goto Range("A1"), True
End Sub


Workbook_BeforeClose:Workbookのイベント

ブックを閉じる直前に起動されるイベントです。
手動で閉じる場合も、VBAで閉じる場合でも起動されます。

Private Sub Workbook_BeforeClose(Cancel As Boolean)
CancelTrueを入れると、ブックのCloseは中止されます。

使用例
ブックが未保存の場合、無条件でブックを保存する

Private Sub Workbook_BeforeClose(Cancel As Boolean)
  If ActiveWorkbook.Saved = False Then
    ActiveWorkbook.Save
  End If
End Sub

ブックが未保存の場合は、Closeをキャンセルする。

Private Sub Workbook_BeforeClose(Cancel As Boolean)
  If ActiveWorkbook.Saved = False Then
    Cancel = True
  End If
End Sub


Workbook_SheetChange:Workbookのイベント

ワークシートのセルが変更されたときに発生します。
※すべてのシートが対象となります。

Private Sub Workbook_SheetChange(ByVal Sh As Object, ByVal Target As Range)
  If Not Intersect(Target, Sh.Range("A1")) Is Nothing Then
    MsgBox "A1セルが変更されました。"
  End If
End Sub

全てのシートにおいて、A1セルが変更されたときにメッセージボックスを表示しています。
shには、セルが変更されたシートのオブジェクトが入ってきます。
Targetには、変更されたセルのRangeオブジェクトが入ってきます。




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