第74回.ファイルを開くダイアログ(GetOpenFilename)
VBAで開くファイルが、あらかじめ決められたフォルダに決められたファイル名で存在している場合は単純にOpenできますが、
都度ユーザーに開くファイルを選択してもらわなければならない場合もあります。
ApplicationオブジェクトのGetOpenFilenameメソッドを使い、
[ファイルを開く] ダイアログボックスを表示させます。
GetOpenFilenameメソッド
[ファイルを開く] ダイアログボックスを表示して、ユーザーにファイルを指定してもらいます。
FileFilter | ファイルの候補を指定する文字列 (ファイル フィルター文字列) を指定します。 |
FilterIndex | 引数 FileFilter で指定したファイル フィルター文字列の中で、1 から何番目の値を既定値とするかを指定します。 この引数を省略するか、ファイル フィルター文字列の数より大きい数値を指定すると、最初のファイル フィルター文字列が既定値となります。 |
Title | ダイアログ ボックスのタイトルを指定します。 この引数を省略すると "ファイルを開く" になります。 |
ButtonText | Macintosh でのみ指定できます。 |
MultiSelect | True を指定すると、複数のファイルを選択できます。 False を指定すると、1 つのファイルしか選択できません。 既定値は False です。 |
戻り値
選択したファイルのフルパスが文字列で戻ります。
ファイルを選択しなかった場合は、Falseが戻ります。
ファイル フィルター文字列とワイルドカードはコンマ (,) で区切り、各ペアもコンマで区切って指定します。
1 つのファイル フィルター文字列に複数のワイルドカードを対応させるには、各ワイルドカードをセミコロン (;) で区切ります。
GetOpenFilenameの使用例
Excelファイルの拡張子として、xls,xlsx,xlsmの3つを指定しています。
エクセルファイルとして、拡張子が xls , xlsx , xlsm を全て指定するために、xls* としています。
また、2番目のフィルターとして、CSVファィルを指定しています。
GetOpenFilenameの実践例
Sub sample1()
Dim FileName As Variant
FileName =
Application.GetOpenFilename(FileFilter:="Excelファイル,*.xls*")
If FileName =
False Then
Exit Sub
End If
Workbooks.Open FileName
End
Sub
ダイアログでエクセルファイルを指定し、そのエクセルファイルを開いています。
Sub Sample2()
Dim FileName As Variant
FileName =
Application.GetOpenFilename(FileFilter:="Excelファイル,*.xls*",
_
MultiSelect:=True)
If Not IsArray(FileName)
Then
Exit Sub
End If
Dim i As Long
Dim wb As
Workbook
For i = LBound(FileName) To UBound(FileName)
Set wb =
Workbooks.Open(FileName(i))
・・・
wb.Close
SaveChanges:=False
Next i
End Sub
複数のエクセルファイルを指定して、順次処理しています。
MultiSelect:=True では、配列処理が必要になります。
配列については後々説明します。
GetOpenFilenameの初期フォルダーの指定
これを変更する場合は、
ChDir フォルダ
これを事前に実行するようにしますが、少々面倒に感じます。
FileDialog
こちらは、初期フォルダを指定できます。
GetOpenFilenameの最後に
入力ファイルは、決められたフォルダに決められたファイル名を用意した方が望ましいでしょう。
「決められた」と言うのは「決め事があれば」ということであり、完全に固定名称である必要はありません。
名称の一部に、処理日付をYYYYMMDD形式にした文字列が含まれている等であればVBAで自動処理可能です。
決め事がない場合や、決め事があってもそれをVBAとして処理出来ないような場合に限って使用すると良いでしょう。
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