第112回.動的配列(Redim)
マクロVBAにおける配列の説明として最初に静的配列を解説しました。
(静的配列をしっかり理解してから動的配列に進んでください。)
静的配列では要素数は宣言時点で決められていました。
実行時点で要素数を決めたい場合や、実行途中で要素数を増減させたい場合が多く出てきます。
マクロVBAで動的配列の要素数を変更するには、ReDimステートメントを使います。
ReDimステートメント
プロシージャ レベルで使用します。
Preserve |
省略可能です。 |
varname |
必ず指定します。 |
subscripts |
必ず指定します。 |
type |
省略可能です。 |
キーワードPreserveを指定した場合
()内の一番最後(一番右)の次元の要素数のみ変更可能という事です。
添字(インデックス)の下限(最小値)を変更しようとすると、エラーが発生します。
また、次元数は変更できません。
ReDimで配列として使う場合は、添字の下限も変更可能となっています。
配列変数の初期化時の値
・可変長文字列は、長さ0の文字列 ("")
・固定長文字列は、 文字コード0のvbNullChar
・ブール変数は、False
・バリアント型変数は、Empty値
要素数の変更について
ReDim MyArray(10, 10)
'↓
ReDim MyArray(10)
'↓
ReDim MyArray(10, 10)
このように、Redimで次元も要素数も変更できます。
ただし、Redimにより、それまでに配列に入っていた値は失われます。
ReDim MyArray(10, 10)
'↓
ReDim Preserve MyArray(10, 11)
'↓
ReDim Preserve MyArray(11, 11)
Preserveを指定することで、値がそのまま残ります。
Preserveを指定した場合は、
動的配列の最後の次元のサイズのみ変更可能で、それより上位の次元は変更できません。
最後の次元以外のサイズを変更するとエラーとなります。
添字(インデックス)の下限(最小値)の変更について
Dim myArray() '配列として宣言
ReDim MyArray(0 To 10, 0 To 10)
'↓
ReDim Preserve MyArray(0 To 10, 0 To 11)
'↓
ReDim Preserve MyArray(0 To 10, 1 To 11)
Preserveを指定した場合には添字(インデックス)の下限(最小値)は変更できません。
Dim myArray 'Variant変数
ReDim myArray(0 To 10, 0 To 10)
'↓
ReDim Preserve myArray(0 To 10, 1 To 11)
Variant変数を配列として使用する場合は、添字の下限も変更可能となっています。
配列について
通常は、2次元までにしましょう。
ワークシートが2次元なのですから。
それ以上の次元は、むやみに複雑化させるだけになります。
同じテーマ「マクロVBA入門」の記事
第109回.列挙型(列挙体)Enum
第110回.ユーザー定義型・構造体(Type)
第111回.静的配列
第112回.動的配列(Redim)
第113回.配列に関連する関数
第114回.セル範囲⇔配列(マクロVBA高速化必須テクニック)
第115回.Split関数
第116回.ファイル操作Ⅱ(OpenとClose)
第117回.ファイル操作Ⅱ(Line Input #)
第118回.ファイル操作Ⅱ(Print #)
第119回.ファイルシステムオブジェクト(FileSystemObject)
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
第5章:AI×VBAでつまづかない!トラブルシューティングとAIとの付き合い方
|生成AI活用研究(2025-05-20)
第4章:【事例で学ぶ】AIとVBAでExcel作業を劇的に効率化する!
|生成AI活用研究(2025-05-20)
第3章:AIを「自分だけのVBA先生」にする!質問・相談の超実践テクニック|生成AI活用研究(2025-05-19)
第2章 VBAって怖くない!Excelを「言葉で動かす」(超入門)|生成AI活用研究(2025-05-18)
第1章:AIって一体何?あなたのExcel作業をどう変える?(AI超基本)|生成AI活用研究(2025-05-18)
AI時代のExcel革命:AI×VBAで“書かない自動化”超入門|生成AI活用研究(2025-05-17)
Geminiと100本ノック 23本目:シート構成の一致確認|生成AI活用研究(5月16日)
AIが問う出版の未来は淘汰か進化か:AIと書籍の共存の道とは|生成AI活用研究(2025-05-16)
Geminiと100本ノック 22本目:FizzBuzz発展問題|生成AI活用研究(5月15日)
すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド|生成AI活用研究(2025-05-15)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
5.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
6.RangeとCellsの使い方|VBA入門
7.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
8.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
9.FILTER関数(範囲をフィルター処理)|エクセル入門
10.条件分岐(Select Case)|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。