第49回.Like演算子とワイルドカード
文字列比較において部分一致やパターンマッチングでの文字列比較を行う時に使うのがLike演算子です。
Like演算子は、2つの文字列のパターンマッチングを行い、規則に一致しているかどうかの結果をTrue(一致)またはFalse(不一致)で返します。
・ワイルドカード
・文字のリスト
・文字の範囲
これらを任意に組み合わせて作成したパターン文字列式を指定できます。
Like演算子
result | 任意の数値変数を指定します。 |
string | 任意の文字列式を指定します。 |
pattern | パターンマッチング規則に従った任意の文字列式を指定します。 |
文字列式stringと文字列式patternが一致していると、演算結果resultは真(True)になり、
一致していないと、演算結果resultは偽(False)になります。
通常は、Ifステートメントで使います。
If string Like pattern Then
真(True)の場合の処理
EndIf
文字列比較のための便利なパターン文字列式を、
ワイルドカード、文字リスト、文字範囲などを組み合わせて指定できます。
パターン文字列式(ワイルドカード、文字リスト、文字範囲)
文字パターン | 引数stringの中の一致する文字 |
? | 任意の1文字 |
* | 任意の数の文字 |
# | 任意の1文字の数字(0-9) 1バイト(半角)の数字 半角全角どちらの数字にも一致します |
[charlist] | 文字リストcharlistに指定した文字の中の任意の1文字 |
[!charlist] | 文字リストcharlistに指定した文字以外の任意の1文字 |
1文字とは
これらの文字を角かっこで囲み、[*]のように指定します。
たとえば、
[A-Z]では、string内の対応する文字位置にAからZの範囲内の大文字が含まれる場合に一致します。
Like演算子の使用例
データ | 文字列式 | 結果 | 説明 |
aBBBa | a*a | TRUE | aで始まりaで終わる |
F | [A-Z] | TRUE | AからZまでの文字 |
F | [!A-Z] | FALSE | AからZ以外の文字 |
a2a | a#a | TRUE | a 数字1桁 a |
aM5b | a[L-P]#[!c-e] | TRUE | a LからP 数字1桁 cからe |
BAT123khg | B?T* | TRUE | B 任意1文字 T 何でも良い |
CAT123khg | B?T* | FALSE | B 任意1文字 T 何でも良い |
ab | a*b | TRUE | a 何でも良い b |
a*b | a[*]b | TRUE | a *1文字 b |
axxb | a[*]b | FALSE | a *1文字 b |
a[xyz | a[[]* | TRUE | a [1文字 何でも良い |
上記の表をA1セルに貼り付けて以下のマクロVBAを実行して確認してください。。
Sub sample()
Dim i As Long
For i = 2 To 12
Cells(i, 3) = Cells(i, 1) Like Cells(i, 2)
Next
End Sub
正規表現について
VBAで正規表現を利用する(RegExp)
正規表現を使っているVBAをよく見かけますが、
Like演算子と文字列関数を組み合わせれば、どんな処理でも実現可能です。
正規表現を使うことを決して否定するわけではありませし、正規表現がとても便利かつ強力な機能であることは間違いありません。
正規表現を使うことを考える前に、まずはLike演算子と文字列関数での処理を検討してみてください。
同じテーマ「マクロVBA入門」の記事
第46回.VBA関数(日付,DateAdd)
第47回.VBA関数(文字列操作,Replace,InStr,StrConv)
第48回.VBA関数(その他,Fix,Int,Rnd,Round,IsEmpty)
第49回.Like演算子とワイルドカード
第50回.総合練習問題6
第87回.WorksheetFunction(ワークシート関数を使う)
第51回.Withステートメント
第52回.オブジェクト変数とSetステートメント
第53回.Workbookオブジェクト
第54回.Windowsオブジェクト
第55回.Worksheetオブジェクト
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
第5章:AI×VBAでつまづかない!トラブルシューティングとAIとの付き合い方
|生成AI活用研究(2025-05-20)
第4章:【事例で学ぶ】AIとVBAでExcel作業を劇的に効率化する!
|生成AI活用研究(2025-05-20)
第3章:AIを「自分だけのVBA先生」にする!質問・相談の超実践テクニック|生成AI活用研究(2025-05-19)
第2章 VBAって怖くない!Excelを「言葉で動かす」(超入門)|生成AI活用研究(2025-05-18)
第1章:AIって一体何?あなたのExcel作業をどう変える?(AI超基本)|生成AI活用研究(2025-05-18)
AI時代のExcel革命:AI×VBAで“書かない自動化”超入門|生成AI活用研究(2025-05-17)
Geminiと100本ノック 23本目:シート構成の一致確認|生成AI活用研究(5月16日)
AIが問う出版の未来は淘汰か進化か:AIと書籍の共存の道とは|生成AI活用研究(2025-05-16)
Geminiと100本ノック 22本目:FizzBuzz発展問題|生成AI活用研究(5月15日)
すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド|生成AI活用研究(2025-05-15)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
5.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
6.RangeとCellsの使い方|VBA入門
7.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
8.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
9.FILTER関数(範囲をフィルター処理)|エクセル入門
10.条件分岐(Select Case)|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。