第11回.RangeとCellsの使い方
VBAではセルを指定する方法としてRangeとCellsがあります。
RangeもCellsも、どちらもRangeオブジェクトでセルを指定するものです。
✅どう使い分けたらよいのでしょうか
RangeとCellsの使い方・使い分け方について解説をします。
RangeとCellsの基本的な使い分け方
Rangeを使うのは
✅セル範囲(複数セル)の場合
✅名前定義を使う時
単一セル(1つの)セルの指定で変数を使う場合は、Cellsを使うようにします。
Cellsを使うのは
固定セル(固定位置)の指定
Range("A1:C5")
Range("1:5")
Range("A:C")
Range("名前定義の名前")
このように名前定義を使う場合は、Rangeでしか記述できません。
Rangeに変数は使わないようにします
iは変数で、数値が入っている場合です。
(変数については、次回に説明します。)
使ってはダメだという事でもないのですが、あまり良い書き方ではありません。
つまり、このような記述をする特段の理由が見当たらないという事になります。
変数を使う場合は、Cellsがあるのですから基本的にはこれを使うようにしましょう。
Rangeに変数を使う場面として、これならありかなという場面としては
変数の、lastRowに最後の行数が入っているとして、その範囲に何か設定するような場合。
Range(Cells(2, 1), Cells(lastRow, 1)) = ""
Range(Cells(2, 3), Cells(lastRow, 3)) = ""
Range("A1:A" & lastRow) = ""
Range("C1:C" & lastRow) = ""
特に、後々に出てきますがRangeやCellsにシート指定をするようになると、
Rangeで書くほうが記述がかなり短く済むので使っても良いと思います。
1つの(VBAで位置を変化させる)セルを指定する場合
列は、数字だけでなく、列記号も使えます。
Cells(5, "C")
Cells(i, 3)
Cells(i, j)
このように書きます。
セル範囲(複数セル)を指定する場合
例えば、
Range(Cells(1, 1), Cells(5, 1))
Range(Cells(1, 1), Cells(1, 3))
Range(Cells(1, 1), Cells(5, 3))
※上記では固定数値で書いていますが、マクロVBAではこの数値部分を変数で指定する場合が多くなります。
Range(Cells(1, 1), Cells(i, 1))
Range(Cells(1, 1), Cells(1, i))
このように書きます。
複数行全体、複数列全体の指定
Range(Rows(1), Rows(5))
Range(Columns(1), Columns(3))
※上記では固定数値で書いていますが、マクロVBAではこの数値部分を変数で指定する場合が多くなります。
Range(Rows(1), Rows(i))
Range(Columns(1), Columns(i))
このように書きます。
RangeとCellsの使い分け方のまとめ
セル範囲と名前定義の場合はRangeを使う、それ以外はCellsを使う。
これが基本になります。
変数を使う時はCells、Rows、Columnsを使用すると言う事です。
RangeとCellsの基本の関連記事
これから多くのRange、Cellsに関することを説明していきますので順に学んで行ってください。
RangeとCellsの応用の関連記事
RangeやCellsの書き方次第で、マクロVBAの見た目が大きく変わってきます。
処理結果が同じであるなら、読みやすいVBAコードを書くようにしましょう。
同じテーマ「マクロVBA入門」の記事
第8回.セルに文字を入れるとは(RangeオブジェクトのValueプロパティ)
第9回.Rangeでのセルの指定方法
第10回.Range以外の指定方法(Cells,Rows,Columns)
第11回.RangeとCellsの使い方
第38回.セルに計算式を設定(Formula)
第12回.変数宣言のDimとデータ型
第13回.定数宣言のConstと型宣言文字
第14回.文字の結合(&アンパサンド)と継続行(_アンダーバー)
第15回.四則演算と注釈(コメント)
第16回.繰り返し処理(For Next)
第17回.繰り返し処理(Do Loop)
新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る
第5章:AI×VBAでつまづかない!トラブルシューティングとAIとの付き合い方
|生成AI活用研究(2025-05-20)
第4章:【事例で学ぶ】AIとVBAでExcel作業を劇的に効率化する!
|生成AI活用研究(2025-05-20)
第3章:AIを「自分だけのVBA先生」にする!質問・相談の超実践テクニック|生成AI活用研究(2025-05-19)
第2章 VBAって怖くない!Excelを「言葉で動かす」(超入門)|生成AI活用研究(2025-05-18)
第1章:AIって一体何?あなたのExcel作業をどう変える?(AI超基本)|生成AI活用研究(2025-05-18)
AI時代のExcel革命:AI×VBAで“書かない自動化”超入門|生成AI活用研究(2025-05-17)
Geminiと100本ノック 23本目:シート構成の一致確認|生成AI活用研究(5月16日)
AIが問う出版の未来は淘汰か進化か:AIと書籍の共存の道とは|生成AI活用研究(2025-05-16)
Geminiと100本ノック 22本目:FizzBuzz発展問題|生成AI活用研究(5月15日)
すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド|生成AI活用研究(2025-05-15)
アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る
1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
5.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
6.RangeとCellsの使い方|VBA入門
7.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
8.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
9.FILTER関数(範囲をフィルター処理)|エクセル入門
10.条件分岐(Select Case)|VBA入門
このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。