VBA入門
四則演算と注釈(コメント)

ExcelマクロVBAの基本と応用、エクセルVBAの初級・初心者向け解説
公開日:2013年5月以前 最終更新日:2021-08-19

第15回.四則演算と注釈(コメント)


エクセルは表計算ソフトですから、計算が出来なくては話になりません。


四則演算(加減剰余)は必須です。
この四則演算で使う算術演算の演算子は、ワークシートの演算子と同じです。
あわせて、注釈(コメント)の書き方も覚えましょう。


算術演算子

演算子 説明
+ 足し算
- 引き算(符号反転)
* 掛け算
/ 割り算
\ 割り算の商
Mod 割り算の余り
^ 指数(べき乗)

普通に使えば、特に問題はないでしょう。

計算の優先順位が必要な場合は、
必ず()でくくって計算順序を明示して下さい。
演算子の優先順位に頼るような記述は理解しづらいので止めましょう。
優先順位について簡単に記載しておきます。
指数(^) > 符号反転(-) > 乗算と除算(*、/) > 整数除算(\) > 剰余演算(Mod) > 加算と減算(+、-) > 文字列連結(&)
VBAの演算子まとめ(演算子の優先順位)
・演算子の優先順位 ・算術演算子 ・比較演算子 ・論理演算子 ・連結演算子 ・単項演算子

特に必要なさそうな気もしますが、一応、例として
A1セルに、単価として300
B1セルに、数量として5
これらが入っているとして、
C1セルに、金額(単価×数量)として1500を入れる場合です。

Sub 練習1()
  Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value
End Sub
RangeやCellsでは、値(Value)を取得・設定するときは.Valueを省略できます。
上記VBAの.Valueは全て省略できます。
ただし、.Valueを省略できない場合もあります。
Rangeオブジェクト.Valueの省略について
エクセルVBAを教えていて、これほど多く聞かれる質問はないでしょう、RangeやCellsの.Valueは省略したほうが良いか、書いた方が良いか、当然、省略出来ない場合もあれば、オブジェクトとして扱うために.Valueは書けない場合もあります。ですので、結論から言えば、書きたければ書けば良いし、書きたくなければ書か…

このVBAコードの説明は不要でしょう。
問題は、このマクロを見ても何の計算をしているかが不明な事です。
C1セル = A1セル * B1セル
これは見れば解ります。
しかし、この計算が何を意味するのかが不明なのです。
そこで、コメント(注釈)を付けて、何をしているか分かるようにします。


注釈

Sub 練習1()
  '金額 = 単価 * 数量
  Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value
End Sub

このように、'(シングルクォーテーション)の後ろは、コメント(注釈)となります。

コメントは、マクロの実行に関係がありません。
VBA実行に何も影響を与えません。

コメントは行の途中からでも書く事が出来ます

Sub 練習1()
  Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value '金額 = 単価 * 数量
End Sub

'(シングルクォーテーション)から後ろだけがコメントになり、
その前までは、普通にマクロVBAを書く事が出来ますし、実際に実行されます。

この場合は、上記のどちらの書き方でも良いでしょう。
私は、1行だけに対するコメントは、後ろに書き、
数行分に対するコメントは、先頭から書く事が多いでしょうか。(場合によります)
これらは人それぞれですし、組織のコーディング規則があればそれに合わせてください。

また、さらに大きなくくり(プロシージャー等)に対するコメントの場合は、

'***************************************************************
'* 四則演算の練習
'***************************************************************
Sub 練習1()
  Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value '金額 = 単価 * 数量
End Sub


このような感じで、コメントをひと際目立つように書いたりします。
コメントですから、書き方に特に決まりがある訳ではありません。
自分が後から見た時に、見易いように、
他人に見せた時に、理解されやすいように書いて下さい。

Remステートメント

'(シングルクォーテーション)以外にコメントを書く方法としてRemステートメントがあります。

Sub 練習1()
  Rem 金額 = 単価 * 数量
  Cells(1, 3).Value = Cells(1, 1).Value * Cells(1, 2).Value: Rem 金額 = 単価 * 数量
End Sub

Remはステートメントなので、行の途中からコメントにする場合は、マルチステートメントにする必要があります。
・VBAでのステートメントという用語について ・行継続(1ステートメントを複数の行に) ・VBAマルチステートメントの基本 ・VBAマルチステートメントの応用 ・マルチステートメントの最後に

ドキュメントコメントについて

規則に則ってコメントを記述することで、プログラムソースのドキュメントを生成する機能が存在するプログラム言語もあります。
その目的で記述したコメントをドキュメントコメントと言います。
これはプログラム言語により、また、ドキュメント生成ツールにより規則が設けられているものです。

VBAには、一般化したこのようなツールは存在しません。
他言語のこうした記載方法を真似てVBAソースにも一定の規則でコメントを書く場合があります。
ただしこの書き方も様々ですので、もし気に入った書き方があったら参考にしてみると良いと思います。




同じテーマ「マクロVBA入門」の記事

第12回.変数宣言のDimとデータ型
第13回.定数宣言のConstと型宣言文字
第14回.文字の結合(&アンパサンド)と継続行(_アンダーバー)
第15回.四則演算と注釈(コメント)
第16回.繰り返し処理(For Next)
第17回.繰り返し処理(Do Loop)
第18回.最終行の取得(End,Rows.Count)
第19回.総合練習問題1
第20回.条件分岐(IF)
第21回.条件分岐(ElseIf)
第22回.条件分岐(Select Case)


新着記事NEW ・・・新着記事一覧を見る

第5章:AI×VBAでつまづかない!トラブルシューティングとAIとの付き合い方 |生成AI活用研究(2025-05-20)
第4章:【事例で学ぶ】AIとVBAでExcel作業を劇的に効率化する! |生成AI活用研究(2025-05-20)
第3章:AIを「自分だけのVBA先生」にする!質問・相談の超実践テクニック|生成AI活用研究(2025-05-19)
第2章 VBAって怖くない!Excelを「言葉で動かす」(超入門)|生成AI活用研究(2025-05-18)
第1章:AIって一体何?あなたのExcel作業をどう変える?(AI超基本)|生成AI活用研究(2025-05-18)
AI時代のExcel革命:AI×VBAで“書かない自動化”超入門|生成AI活用研究(2025-05-17)
Geminiと100本ノック 23本目:シート構成の一致確認|生成AI活用研究(5月16日)
AIが問う出版の未来は淘汰か進化か:AIと書籍の共存の道とは|生成AI活用研究(2025-05-16)
Geminiと100本ノック 22本目:FizzBuzz発展問題|生成AI活用研究(5月15日)
すぐに使える!生成AI プロンプト作成 実践ガイド|生成AI活用研究(2025-05-15)


アクセスランキング ・・・ ランキング一覧を見る

1.最終行の取得(End,Rows.Count)|VBA入門
2.繰り返し処理(For Next)|VBA入門
3.変数宣言のDimとデータ型|VBA入門
4.セルのコピー&値の貼り付け(PasteSpecial)|VBA入門
5.ひらがな⇔カタカナの変換|エクセル基本操作
6.RangeとCellsの使い方|VBA入門
7.メッセージボックス(MsgBox関数)|VBA入門
8.セルのクリア(Clear,ClearContents)|VBA入門
9.FILTER関数(範囲をフィルター処理)|エクセル入門
10.条件分岐(Select Case)|VBA入門




このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。


記述には細心の注意をしたつもりですが、
間違いやご指摘がありましたら、「お問い合わせ」からお知らせいただけると幸いです。
掲載のVBAコードは動作を保証するものではなく、あくまでVBA学習のサンプルとして掲載しています。
掲載のVBAコードは自己責任でご使用ください。万一データ破損等の損害が発生しても責任は負いません。



このサイトがお役に立ちましたら「シェア」「Bookmark」をお願いいたします。
本文下部へ