ツイッター出題回答
VBA穴埋め問題「On Error GoToの挙動」

ExcelマクロVBAとエクセル関数についての私的雑感
公開日:2022-08-09 最終更新日:2022-08-09

VBA穴埋め問題「On Error GoToの挙動」


ツイッターで出題したVBAの問題です。


On Error GoToを使った場合に、2度目のエラー発生に対応するにはどうしたら良いかを問うVBA問題です。


出題ツイート

【VBA問題】

Sub main()
  Dim i
  On Error GoTo L1
  i = 1 / 0
L1:
  ① '←ここにいれるステートメントは?
  On Error GoTo L2
  i = 1 / 0
L2:
  MsgBox "にゃん"
End Sub

さて問題です。
「にゃん」と言えるようにするには、
①に何を入れたら良いでしょうか?

✅On Error GoTo 0
✅On Error GoTo -1
✅On Error Resume Next
✅にゃんともいえない

VBA問題 On Error GoTo
https://twitter.com/yamaoka_ss/status/1556523203853373441


正解発表

✅On Error GoTo -1

以下で解説します。


出題者としての解答

最初に言っておきますが、そもそもこんな事をしてはいけません。
1つのプロシージャー内で複数回のエラーを補足する場合は、
On Error GoToを使わずにOn Error Resume Nextを使ってください。


On Error GoTo ラベル
これが指定された後にエラー発生した場合はラベルの位置に制御が移ります。
その後に発生するエラーは補足することが出来ずに、VBAはエラー停止します。

上記の、
On Error GoTo L2
この実行でErrオブジェクトのプロパティ(NumberやDescription)はクリアされますが、
エラー処理ルーチンのアクティブな状態は解除されません。
そして、エラー処理ルーチンがアクティブの状態ではエラーが処理できません。

On Error GoTo 0
On Error Resume Next
Err.Clear
これらの命令では、エラー処理ルーチンのアクティブな状態は解除できません。

以下はVB.NETのページですが、
On Error GoTo 0は、エラーハンドラー(つまり、その前に実行されたOn Error)を無効にするだけです。
例外が発生したことで有効になっている例外状態を無効にすることは出来ません。

この有効になっている例外状態を無効にするには、
On Error GoTo -1
これを実行するか、もしくは当該プロシージャーを抜ける必要があります。
当該プロシージャーが他から呼ばれている場合、呼び出し元に戻った時は例外状態は無効になっています。

ただし、当該プロシージャーを抜けただけではErrオブジェクトのプロパティはクリアされません。
Errオブジェクトのプロパティをクリアするには、Err.Clearまたは新たなOn Errorの記述が必要になります。

ということで、
✅On Error GoTo -1
これが正解でした。


サイト内の参考ページ

第60回.エラー処理(On Error)|VBA入門
マクロVBAを実行していると、エラーメッセージが表示されマクロ実行が停止してしまう事があります。マクロがエラー停止しては自動化の目的が達成されませんので、エラー停止しないようにしなければなりません。エラーが出ないようにVBAを記述出来ればそれに越したことはありませんが、一切エラーを出さないようにVBAを書くことはか…
第61回.「On Error GoTo」と「Exit Sub」|VBA入門
「OnErrorGoTo行ラベル」このステートメントは、実行時エラーが発生した時に制御を指定の行ラベルに移動させるものです。マクロVBAは、エラーが発生するとその時点で停止してしまいます。VBAが実行不能となった場合には、エラー発生したVBAコードで停止します。
第62回.「On Error Resume Next」とErrオブジェクト|VBA入門
「OnErrorResumeNext」このステートメントは、実行時エラーが発生してもマクロVBAを中断せずに、エラーが発生したステートメントの次のステートメントから実行を継続します。マクロVBAは、エラーが発生するとその時点で停止してしまいます。
第134回.Errオブジェクトとユーザー定義エラー|VBA入門
VBA実行時には種々のエラーが発生します。実行時エラーに関する情報は、Errオブジェクトに入っていますので、VBA実行でエラー発生した場合は、Errオブジェクトを参照しエラー内容を調べることになります。Errオブジェクトの使い方と、ユーザー定義エラーの生成方法について解説します。




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