WshNetwork(ネットワークドライブの割り当て等)
WshNetworkは、「Windows Script Host Runtime Library」に含まれているオブジェクトで、ネットワーク
リソースへのアクセスが提供されています。
ここでは、WshNetworkの主なプロパティとメソッドの簡単な使い方をサンプルVBAとともに解説します。
本記事作成では以下のサイトを参考にしました。
Windows Script Host Runtime Library
参照設定
Windows Script Host Object Model

Windows Script Host Runtime Libraryのメンバー
Member | 説明 |
Drive | 特定のディスク ドライブまたはネットワーク共有のプロパティへのアクセスを提供します。 |
Drives | 使用可能なすべてのDriveオブジェクトで構成されるDrivesコレクションを返します。 |
File | ファイルのすべてのプロパティへのアクセスを提供します。 |
Files | Folder オブジェクト内の File オブジェクトのコレクション。 |
FileSystemObject | コンピュータのファイル システムへのアクセスを提供するオブジェクト。 |
Folder | フォルダーのすべてのプロパティへのアクセスを提供します。 |
Folders | Folder オブジェクト内の Folder オブジェクトのコレクション。 |
TextStream | ファイルへの順次アクセスを容易にします。 |
WshCollection | WshNetwork.EnumNetworkDrivesメソッドとWshNetwork.EnumPrinterConnectionsメソッドによって返されます。 ネットワークドライブ/プリンターのローカル名とそれに関連付けられた UNC 名のペアを関連付けるコレクションです。 コレクション内の偶数番号の項目はドライブ/プリンターポートのローカル名を表し、奇数番号の項目は UNC 名を表します。 |
WshEnvironment | Windows 環境変数のコレクションへのアクセスを提供します。 |
WshExec | WshShell.Execメソッドによって返されます。スクリプトのステータスとエラー情報を提供します。 |
WshNetwork | コンピュータが接続されているネットワーク上の共有リソースへのアクセスを提供します。 |
WshShell | ネイティブ Windows シェルへのアクセスを提供します。 |
WshShortcut | プログラムでショートカットを作成できます。 |
WshURLShortcut | プログラムによってインターネット リソースへのショートカットを作成できます。 |
WshNetwork以外については、以下では解説していません。
VBAでのWshNetworkの使い方
事前バインディング
Dim wsh As New IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
Dim wsh As IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
Set wsh = New IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
With New IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
'・・・
End With
遅延(実行時)バインディング
Dim wsh As Object
Set wsh = CreateObject("WScript.Network")
With CreateObject("WScript.Network")
'・・・
End With
WshNetworkのプロパティ
プロパティ | 説明 |
ComputerName | コンピューター名 |
UserDomain | ユーザードメイン名 |
UserName | ユーザー名 |
WshNetworkのプロパティ
メソッド | 説明 |
AddWindowsPrinterConnection | プリンター接続をシステムに追加します。 |
AddPrinterConnection | MS-DOS ベースのプリンタ接続を追加します。 |
EnumNetworkDrives | ネットワーク ドライブ マッピング情報を返します。 |
EnumPrinterConnections | ネットワーク プリンターのマッピング情報を返します。 |
MapNetworkDrive | 共有ネットワーク ドライブを追加します。 |
RemoveNetworkDrive | 共有ネットワーク ドライブを削除します。 |
RemovePrinterConnection | 共有ネットワーク プリンタ接続を削除します。 |
SetDefaultPrinter | 既定のプリンターを変更します。 |
WshNetworkの簡易な使用例
ユーザー名、コンピュータ名
Sub UserName_ComputerName()
Dim wsh As IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
Set wsh = New IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
With wsh
MsgBox "ユーザー名:" & .UserName & vbLf & _
"コンピュータ名:" & .ComputerName
End With
End Sub
プリンターの一覧
Sub PrinterConnections()
Dim v
For Each v In CreateObject("WScript.Network").EnumPrinterConnections
Debug.Print v
Next
End Sub
上記では、CreateObjectの結果をFor Eachのオブジェクトに直接指定しています。
ネットワークドライブの一覧
Sub NetworkDrives()
Dim wsh As New IWshRuntimeLibrary.WshNetwork
Dim v
For Each v In wsh.EnumNetworkDrives
Debug.Print v
Next
End Sub
ネットワークドライブの割り当てと解除
MapNetworkDrive
引数 | 説明 |
object | WshNetworkオブジェクト |
strLocalName | マップするドライブがローカルで認識される名前を示す文字列値。 |
strRemoteName | 共有の UNC 名 (\\xxx\yyy) を示す文字列値。 |
bUpdateProfile | オプション。 マッピング情報が現在のユーザーのプロファイルに保存されるかどうかを示すブール値。 bUpdateProfile が指定され、その値が true の場合、マッピングはユーザー プロファイルに保存されます (デフォルトはfalse)。 |
strUser | オプション。 ユーザー名を示す文字列値。 現在のユーザー以外の資格情報を使用してネットワーク ドライブをマッピングする場合は、この引数を指定する必要があります。 |
strPassword | オプション。 ユーザー パスワードを示す文字列値。 現在のユーザー以外の資格情報を使用してネットワーク ドライブをマッピングする場合は、この引数を指定する必要があります。 |
RemoveNetworkDrive
引数 | 説明 |
object | WshNetworkオブジェクト |
strName | 削除するマップされたドライブの名前を示す文字列値。strNameパラメータは、ドライブのマップ方法に応じて、ローカル名またはリモート名のいずれかになります。 |
bForce | オプション。 マップされたドライブを強制的に削除するかどうかを示すブール値。 bForce が true の場合、このメソッドはリソースが使用されているかどうかに関係なく接続を削除します。 |
bUpdateProfile | オプション。 ユーザーのプロファイルからマッピングを削除するかどうかを示す文字列値。 bUpdateProfile が true の場合、このマッピングはユーザー プロファイルから削除されます。 bUpdateProfileはデフォルトではfalseです。 |
VBAサンプル
Sub NetworkDrive()
Dim sDrive As String: sDrive = "Z:"
Dim sPath As String: sPath = "\\xxxxxx\yyyyyy"
Dim sUser As String: sUser = "userを記載"
Dim sPass As String: sPass = "passを記載"
Dim wsh As Object
Set wsh = CreateObject("WScript.Network")
Dim objFSO As Object
Set objFSO = CreateObject("Scripting.FileSystemObject")
'既存ドライブの確認と解除
If objFSO.DriveExists(sDrive) Then
Call wsh.RemoveNetworkDrive(sDrive, True, True)
End If
'ネットワークドライブの割り当て
On Error Resume Next
Call wsh.MapNetworkDrive(sDrive, sPath, False, sUser, sPass)
If Err.Number <> 0 Then 'ドライブの割り当てに失敗
MsgBox Err.Description
End If
'オブジェクトの開放
Set wsh = Nothing
Set objFSO = Nothing
End Sub
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