ツイッター出題回答
スピルのゴーストの範囲を選択するVBA

ExcelマクロVBAとエクセル関数についての私的雑感
公開日:2023-10-31 最終更新日:2023-10-31

スピルのゴーストの範囲を選択するVBA


ツイッターで出題したVBAに関する問題です。


スピルは.2019年に実装された新機能です。
数式を入力したセルから結果があふれて隣接したセルにも出力されるのがスピルです。
スピルについての詳細は以下を参照してください。

スピルについて
2019年にOffice365のExcelに実装された革新的な機能としてスピルがあります。数式を入力したセルから結果があふれて隣接したセルにも出力されるのがスピルです。今までは数式を入れたセルにしか結果を出せませんでしたが、スピルでは隣接するセルにまで結果が表示されます。

スピルのゴースト(あふれた先)の範囲だけを選択するVBAを作成するお題です。



出題ツイート

エクセル Excel スピル ゴースト VBA
https://twitter.com/yamaoka_ss/status/1716718194067730828


【VBAお題】
指定シートの全セルを対象として、
スピルのゴースト(あふれた先)の範囲を選択するVBAを作成してください。
※ゴーストとはスピル数式を入れたセルは除きます


解答ツイート

スピルのゴーストの範囲を選択するVBAコード

Function getGhost(ByVal ws As Worksheet) As Range
  On Error Resume Next
  Dim rngCal As Range
  Set rngCal = ws.Cells.SpecialCells(xlCellTypeFormulas)
  If rngCal Is Nothing Then Exit Function
  On Error GoTo 0
  
  Dim rng As Range, rngSpill As Range
  Dim rngY As Range, rngX As Range
  For Each rng In rngCal
    Set rngY = Nothing: Set rngX = Nothing
    If rng.HasSpill Then
      Set rngSpill = rng.SpillingToRange
      If rngSpill.Rows.Count > 1 Then
        Set rngY = rngSpill.Resize(rngSpill.Rows.Count - 1).Offset(1)
      End If
      If rngSpill.Columns.Count > 1 Then
        Set rngX = rngSpill.Resize(, rngSpill.Columns.Count - 1).Offset(, 1)
      End If
      Set getGhost = UnionRange(UnionRange(getGhost, rngY), rngX)
    End If
  Next
End Function

Function UnionRange(ByVal rng1 As Range, rng2 As Range) As Range
  If Not rng1 Is Nothing And Not rng2 Is Nothing Then
    Set UnionRange = Union(rng1, rng2): Exit Function
  End If
  If Not rng1 Is Nothing Then
    Set UnionRange = rng1: Exit Function
  End If
  Set UnionRange = rng2: Exit Function
End Function

使い道があるかは分かりませんが、一応関数にしておきました。

HasSpill
SpillingToRange
この2つのプロパティが分かればVBA自体は簡単だと思います。
スピルで追加されたプロパティについては以下を参照してください。
スピルでVBAの何が変わったか
Office365にスピルが登場し、2020年1月にはXLOOKUPもリリリースされ、ますますエクセルが便利になってきています。スピルは、これまでにないくらい大幅な機能変更と言えるでしょう。スピルの一般的な説明については以下を参照してください。

使い方は、シートのオブジェクトを引数に指定するだけです。

Sub test()
  Dim rng As Range
  Set rng = getGhost(ActiveSheet)
  If Not rng Is Nothing Then rng.Select
End Sub


上記VBAの要点としては、いかに速い処理を意識するかにあります。
SpecialCells(xlCellTypeFormulas)
これで数式のセルだけの参照で済むようにして、
HasSpill
これでスピル数式の判定、
SpillingToRange
これでスピル範囲を取得。

ここで、SpillingToRangeの範囲を1つずつ処理してしまうと処理時間がかかってしまいます。
例えば列全体にスピル数式が及んでいるような場合ですね。
そこで、SpillingToRangeの範囲を右および下にずらしてゴーストの範囲を取得しています。
右や下にずらす前には1つサイズを小さくする必要もありますね。
後はこれらの範囲をUnionしていけば、目的のゴースト範囲が取得できます。




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